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自己破産でも手元に残せる「自由財産」と「自由財産の拡張(残せる財産を増やしたい!!)」

      2026/08/23

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< 目 次 >
自由財産とは?その趣旨は?
自由財産の分類
(1) 本来的自由財産について(拡張されない法律上の自由財産)
 ① 99万円以下の現金について~その数字の法的根拠~
 ② 差し押さえ禁止債権について
 ③ 新得財産について
 ④「破産管財人が破産財団より放棄した財産」について
(2) 自由財産の拡張について(本来的自由財産だけだと不十分)
(3) 「自由財産拡張基準」について
 ~東京地方裁判所の「自由財産拡張基準」について~
 ① 残高(同一種目が複数ある場合は合計額)が20万円未満の預貯金は自由財産
 ② 評価額が20万円未満のクルマは自由財産
 ③ 20万円未満の保険の解約返戻金は自由財産
 ④ 退職金債権
自由財産の拡張について~まとめ~
借金問題・無料法律相談の案内
● 日本法規情報 (債務整理相談サポート)

 

■ 自由財産とは?その趣旨は?

 
「自己破産」とは、借金を返せなくなった人(支払不能)が裁判所に申し立て、所有財産を整理し、必要に応じて換価処分(売却して現金化)して債権者に分配したうえで、残った借金の支払い義務を免除(免責)してもらう制度です。

ただ、破産することでいくら借金がゼロになっても、手持ちの財産の何から何まですべてを没収・処分されてしまったら破産者のその後の生活が立ちいかなくなるし、以後の生活再建も目途かつかなくなります。
だから、破産者が所有する一定の財産については破産管財人に換価処分されない財産(破産財団に組み込まれない財産)として破産者の所有財産として自由に使用できるのです。

この一定の財産を「自由財産」といいます。
 

処分対象財産 一定の価値があり破産財団に組み込まれ換価処分後に債権者に弁済・配当される財産。
自由財産 破産財団に組み込まれず自己破産後でも手元に残せて破産者が自由に使える破産者の財産。

 

処分対象財産(破産財団)自由財産(拡張された自由財産も含む)

破産手続開始時、両者は元々は破産者の財産として同一ですが、一定の基準の下で両者は表裏一体の関係になります。「左」は処分される財産。「右」は処分されない財産です。

※処分の対象となる財産が自由財産の範囲を超え、換価処分(現金化)できる財産ならば「管財事件(通常は少額管財事件)」として破産手続が進められます。そうでなければ、つまり処分対象になる財産がなければ原則「同時廃止」となります。
 
関連記事:破産手続では「管財事件」と「同時廃止」の2種類 ある ~両者の特徴と振り分け基準は?費用の違いは?~

 
「自由財産」とされる財産については、法律上は主に破産法34条3項1号に列挙されています。

これを本来的自由財産といいます。法律でもって無条件に最初から自由財産と認めるのは、この本来的自由財産のみです(破産法34条・78条参照)。

ただし、実際問題として、個々人が抱えている生活状況、困窮状況は違っているし、それによって最低限の生活に必要な財産等も当然違ってきます。そうなると「自由財産」の領域を法律の定めのある内容(破産法34条3項1号)に限定してしまうと、破産者の生活再建に向けて十分な貢献を果たせない恐れがあります。

つまり、条文に記載されている以外の財産でも、最低限の生活条件を維持、継続するのにどうしても必要なモノがあれば破産財団から外して自由財産として破産者に保有を認めるべきなのです。

そこで、破産法は34条4項で、その財産が今後の破産者の日常生活と経済再生に必要不可欠のものといえるのかどうか、という視点を十分に踏まえて「自由財産」の範囲を拡張できるとしています。この「自由財産の拡張」については、非常に重要な論点であり、後述の章で詳しく述べます。

まず「本来的自由財産」について説明します。

 

● 自由財産の分類

(1) 法律の規定がある「本来的自由財産」について

「本来的自由財産」とは、裁判所の個別許可を必要とせず、破産法上最初から無条件に破産財団に属さないものとされ、破産者(債務者)が自由に管理処分できる財産のことをいいます。自己破産しても自由に使うことができる財産です。

つまり「本来的自由財産」は、破産者の申立て⇒ 管財人の審査⇒ 裁判所の許可といった一連の手続の流れを必要とせずに、さらに、裁判所の職権によるまでもなく法律で定めのある自由財産となるということです。

「本来的自由財産 (法律の定めがある)」

「99万円以下の現金」・・・・・・・・・・・・(破産法34条3項1号)
「差し押さえ禁止財産」・・・・・・・・・・・(破産法34条3項2号)
「新得財産」・・・・・・・・・・・・・・・・(破産法34条1項の反対解釈)
「破産管財人が破産財団より放棄した財産」・・(破産法78条2項)

 
 

① 99万円以下の現金について──「自由財産の金額基準の全体像」と「99万円の法律上の数的根拠」

 

まず、本来的自由財産の第1項目である「99万円以下(破産法34条3項1号)」の数的根拠を説明する前に、【自由財産の金額基準の全体像】を簡単に整理しておきます。

自由財産の金額基準には、以下の2つがあります。

破産法に基づく全国共通の最低保障基準としての「99万円基準」
法規定はありませんが、裁判所(東京地裁)の運用による「20万円基準」

・99万円基準は、生活再建のため99万円以下の現金を法律上保護する基本的な法的基準
・20万円基準は、現金以外の財産について自由財産の拡張を認めるか否かの裁判所の運用基準

99万円基準の対象が手元にある現金に限っているのに対して、20万円基準は「現金以外の預貯金であろうと、モノであろうと、財産の種類を問わず、換価価値が20万円以下であれば、拡張された自由財産として扱う運用基準です。
但し、あらゆる種類の財産について「20万円以下なら自由財産」とする一般的な金額基準を示すものではありません。破産者の生活再建へ向けて最低限度の生活保障を確保ことに資する種類であることが条件です(破産法34条4項参照)。

99万円基準の更なる重要な役割は、20万円基準の役割が比較的限定されている※(1)のに対して、生活保障と経済的更生を実現するための制度としての最低限の基準を示す実務上の目安金額であることから、自由財産拡張制度の判断基準※(2)としても重要な役割を果たしています。  
※後述の99万円基準の3つの役割の表の②と【申立てによる拡張を判断する一つの「量的な目安】が99万円」の項を参照。

※(1)20万円以下の財産を職権で自由財産にするかどうか」だけを見る。そういった意味で役割は99万円基準より限定的であるということ。
※(2)99万円以下という金額が少なくとも最低限の生活保障を確保するうえで必要とされる目安の金額とされる以上、裁判所の判断で追加で自由財産の拡張を認めても制度趣旨に反しないということで重要な役割果たします。

 
以上、99万円基準については、自己破産制度の理念や自由財産制度そのものを支える「制度の根幹となる基準」であるのに対し、20万円基準は、その99万円基準の理念を具体的に適用するための「実務上の判断基準」と位置づけられます。

この二つの基準の関係については、後ほど詳しく解説します。

 

◆「現金」と「預貯金」の違いを明確にする
ここでいう99万円以下の「現金」というのは、破産手続開始時点で破産者が手元に持っているお金のことで(手持ちのお金)のことです。
それに対して「預貯金」とは、銀行や郵便局といった口座に入っている金員のことで、それは「預貯金払戻請求権」という債権であり「現金」とは別扱いになります。
この違い区別は正確に理解しておくことが必要です。⇒ 参考記事

 
>>「99万円以下の現金」なぜ99万円なのか?その根拠は?<<

ところで、99万円という数字は法文で明確に書かれてはいません。

99万円以下という数字を導き出すメインの条文は下記の改正された破産法の条文です。

● 破産法 第34条1項
破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。
● 破産法 第34条3項1号
第1項の規定にかかわらず,次に掲げる財産は,破産財団に属しない。
一 民事執行法(昭和54年法律第4号)第131条第3号に規定する額に2分の3を乗じた額の金銭

※「破産財団に属しない」ということは、処分の対象にはならないということで、要は「自由財産」ということを意味します。

これまでは、破産財団に含まれない自由財産の金銭の額は、標準的な世帯の2か月分の必要生計費を勘案して定められる額66万円以下とされていました。

でも、平成16年の破産法改正により、破産法34条3項1号で「2分の3を乗じた額の金銭」という文言が付け加えられた結果、99万円以下まで引き上げられて自由財産とすることになりました。この99万円以下という数字は破産法と民事執行法、民事執行施行令の条文解釈によって出てきます。

1. まず、破産法34条3項1号で自由財産となる「現金」は、民事執行法131条3号に規定する額に3/2を乗じた額の金銭が自由財産となる「現金」が、99万円以下となります。つまり、この99万円以下が差押禁止債権ということです。
矢印

2. じゃあ~、2分の3を乗じた結果、算出された99万円という金額をを導き出すための元の金額はいくらかというと、それは民事執行法131条3号で定められていると言われています。ただ、その条文には「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」と記載されているだけで具体的な数字では表示されていません。

民事執行法131条3号(差押え禁止動産)
「標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」

矢印

3. では、その政令で書かれている金額とはいくらか、そしてどこに記載されているかというと、民事執行施行令1条には「66万円」と書かれています。つまり「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」とは「66万円」ということです。

民事執行施行令1条(差押えが禁止される金銭の額)
民事執行法(以下「法」という。)第131条第3号(法第192条において準用する場合を含む。)の政令で定める額は、66万円とする。

矢印

4. ということは、最初(破産法34条3項1号)に戻って「66万円」に3/2を乗じた金額「99万円」となり、それが「自由財産」となるのです。66万円×3÷2=99万円

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「99万円以下の現金」は、本来的自由財産として最初から破産財団には入らず「自由財産」として破産者の手元に残すことができます。

たとえば100万円の現金を持っている場合でも、100万円すべてが破産財団に入るわけではありません。99万円までは自由財産として保護され、99万円を超えた1万円が原則として破産財団に属します。

つまり、重要な点は「99万円基準は、99万円を1円でも超えたら現金全額が破産財団になる基準ではない」という点です。それに対して「20万円基準」は、20万円を超えたら超えた分を含めて全部が破産財団に組み込まれます。その点に差があることに注意してください。

※詳しくは、後述の「「99万円基準」と「20万円基準」を超えた場合の違い 」の表形式を参照してください。
 

②「差押さえ禁止財産」について

 
差押禁止財産は、法律が「生活に必要だから差押さえてはいけない」と定めている財産です。

基本的には生活を成り立たせるに密接に関連ある動産や債権が「差押禁止財産」とされています。詳しくは、民事執行法に規定されている「差押禁止動産」「差押禁止債権」がそれにあたります。

したがって、差押禁止財産は破産財団に組み込まれないので処分の対象とはならず自由財産となります。逆に、破産財団に組み入れられ、処分の対象となる財産は差押禁止ではなく、差押えが許される財産となります。

要するに、差押禁止財産は、れっきとした本来的自由財産として規定されています。よって、その金額(清算価値)に関係なく、99万円基準を超えていたとしても「差押禁止」という法律上の性質だけで直ちに問題なく自由財産になります。

その理由は、差押禁止財産は 冒頭言ったように、それ自体、生活維持のために絶対に奪ってはいけない財産と法律で定められているからです。


   
   ーa.「差押禁止動産(自由財産)」とは?ー
・生活に欠かせない衣服、寝具、家具、台所用品、畳および兼具(民事執行法131条1項)
・一か月間に必要な食料、燃料(同法131条2項)などなど(同法131条14項)までの14項目です。

※洗濯機、冷蔵庫、テレビ、瞬間湯沸かし器、電子レンジ、掃除機、DVDデッキ、エアコン、タンス、パソコン、ベット、食卓セット、食器、調理器具、棚、机、衣類などなどで一般家庭に普通に広く普及されていて生活に欠くことができないものは差し押さえ禁止動産です。但し、高級家電、高級家具は自由財産の範囲を超えて処分対象となるでしょう。
関連記事:「任意整理」すると、直ちに給与、その他財産(動産・自動車・土地 建物・銀行預金)が差押えられてしまうの??  ※該当箇所⇒動産 (例:家財道具などは高級品のみ差押え可能)

 

  ーb.「差押禁止債権(自由財産)」とは?ー
・給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権の3/4相当部分(民事執行法152条1項2号)
退職手当などの性質の債権の3/4相当部分(同法152条2項)
債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権の3/4相当部分(同法152条1項1号)
その他、国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金の受給権。失業保険の給付金債権。生活保護の受給権。などなど

なお、差し押さえ禁止債権の「給与」等に関しては、上記の3/4規定以外にも特別規定があります。その詳細ついては下記の関連記事の該当箇所を参照。

関連記事:「給与債権が差押えられたら」と「預金債権が差押えられたら」比較~借金した者側の対応策は?~  ※該当箇所⇒給与債権の差し押さえ


 
~退職金債権の扱いについて~

上記の差押禁止債権一覧を見ると、例えば退職金債権については、その4分の3相当額が差押禁止債権となります。この部分は、破産手続においても自由財産として取り扱われるため、換価・配当の対象にはなりません。

一方、残り4分の1相当額は破産財団に組み入れられ、処分対象となり各債権者の債権額に応じて債権者へ比例配当されます。

ところで、この退職金債権の金額は、将来定年などで実際に退職した際に受け取る予定額を基準とするわけではありません。あくまで自己破産手続開始決定時点で退職したと仮定した場合に支給される退職金額を基準として判断します。

つまり、その時点で算定された退職金額の4分の3相当額が差押禁止債権となり、破産手続においても自由財産として取り扱われます。一方、残り4分の1相当額は破産財団に組み入れられ、処分対象となり比例配当する原資となります。⇒ 後掲の「退職金債権の基本的な取扱い」の表形式を参照してください。

 ・すでに退職しているが、まだ退職金を受け取っていない場合
⇒この場合は、まだ退職金は支給されていないものの、すでに退職している以上、退職金を受け取る権利は現実化しています。そのため、民事執行法152条の適用により、退職金債権の4分の3相当額は差押禁止債権となり、破産手続でも自由財産として取り扱われます。一方、残り4分の1相当額は破産財団に組み入れられ、処分対象の財産として比例配当の原資となります。⇒ 後掲の「退職の状況による違い」の表形式を参照してください。

 ・まだ退職もしていないが、破産手続中に退職することが決まっている場合
⇒この場合も、退職することが確定しており、退職金の支給を受けることが確実な状態にあるため、基本的には民事執行法152条の適用対象となります。その結果、退職金債権の4分の3相当額は差押禁止債権として自由財産となり、残り4分の1相当額は破産財団に組み入れられ、処分対象となり債権者への比例配当の原資となります。⇒ 後掲の「退職の状況による違い」の表形式を参照してください。

● 退職金債権の基本的な取扱い ●

項目 取扱い
退職金額の基準時 自己破産の手続開始決定時点
基準となる金額 その時点で退職したと仮定した場合に支給される退職金額
4分の3相当額 差押禁止債権 → 自由財産として扱われ、原則として換価・配当の対象にならない
残り4分の1相当額 破産財団に属する部分となり、原則として換価・配当の対象になる

● 退職金債権が100万円だった場合 ●

退職金債権 金額 破産手続での扱い
4分の3 75万円 差押禁止 → 自由財産
4分の1 25万円 破産財団に属する部分
合計 100万円

● 退職の状況による違い ●

退職の状況 退職金の考え方 4分の3 4分の1
まだ退職していない 手続開始決定時に退職したと仮定して退職金額を算定 原則として
自由財産
原則として
破産財団
すでに退職しているが、まだ退職金を受け取っていない 退職金を受け取る権利がすでに具体化している 自由財産 破産財団
破産手続中に退職することが決まっている 退職が確定し、退職金の支給が確実な状態として扱う 原則として
自由財産
原則として
破産財団

~破産開始手続開始前に退職金を受領している場合の扱いについて~

この場合は「退職金債権の4分の3が自由財産」というルールは使いません。この場合は、受け取った退職金が現金として保有されているのか、あるいは預貯金として口座に預けられているのかによって取り扱いが異なります。

現金として持っている場合
受け取った退職金が手元の現金になっているなら、本来的自由財産として認められるのは 99万円までです。99万円を超える部分は破産財団に組み入れられます。⇒ 現金200万円 → 99万円まで本来的自由財産 → 101万円は原則として破産財団に組みいられます。

預貯金として口座にある場合
退職金を銀行口座に預けている場合は、東京地裁の自由財産拡張の運用基準により預貯金が20万円以下は、自由財産として認められます。
20万円を超える場合は、その超える分をも含む全額が破産財団に入って、換価処分の対象となり配当の対象となります。
⇒ たとえば預貯金が30万円なら、20万円基準で20万円が自由財産で、それを超過した10万円分のみが破産財団となるわけではありません。30万円という預貯金全体が、東京地裁の自由財産拡張の運用基準から外れて、30万円全体が破産財団に組み込まれるということになります。

ただし、そこから直ちに「30万円全額が必ず換価されて債権者に配当される」とまで断定するのも正確ではありません。個別に自由財産の拡張が認められる可能性などがあるからです。
詳しくは後述参照。

● 「99万円基準」と「20万円基準」を超えた場合の違い ●

財産 基準額 基準を超えた場合
現金 99万円 99万円までは本来的自由財産として保護され、99万円を超える部分が破産財団に属します。
預貯金
(東京地裁の運用)
おおむね20万円 「20万円までは自由財産、超過部分だけが破産財団」と分けるのではなく、原則として預貯金全体が20万円基準による自由財産の取扱いから外れます。外れるということは、20万円と超過部分を含めた全てが破産財団となるということです。
ただし、個別に自由財産の拡張が認められる場合があります。

上の表を見ての通り、退職金100万円を受け取った後でも、100万円を現金で持っているか、銀行口座に預けているかで、破産手続上の扱いが大きく異なり得るということです。

そもそも「99万円基準」は「法律で保護される現金の上限」であるから、一つの塊としてあるのではなく部分的に切り分けが可能な基準であるのに対して「20万円基準」とは、例えば、預貯金の場合は銀行に預けている返還請求権という1つの塊の権利であり、保険返戻金も保険会社に対する1つの請求権という1つの塊の権利として存在するという制度設計になっていないため、二つは性質がまったく異なる基準です。その違いが「超過部分だけが破産財団になるのか/全体が破産財団になるのか」という扱いの差を生みます。

 

もっとも、実際の破産手続では、退職金債権が必ずしも「退職金額の4分の1=そのまま処分対象」となるわけではありません。

例えば、破産者が現在も勤務を続けており、今現在退職する気持ちは全くなく、実際に退職金を受け取るのが10年、20年先になるケースを考えてみた場合、破産手続開始決定時点で仮に退職した場合の退職金が400万円だったとしても、その4分の1にあたる100万円を、現在100万円の価値がある財産としてそのまま評価するのは、必ずしも実態に合いません。

なぜなら、破産者は現在100万円を受け取れるわけではなく、実際に退職金を受け取るのはずっと先になる可能性があるからです。また、将来本当にその退職金を受け取れるかどうかにも不確実性があります。

そこで実際の破産手続では、退職までの期間や退職金を実際に受け取れる可能性などを考慮して、退職金債権を現在の財産としてどの程度の価値があるものと評価するか、問題となります。そのため、裁判所の実務では、退職金債権について一定の割合まで評価額を引き下げて取り扱う運用が行われています。

さらに、そのようにして算定された退職金債権の評価額について、後述する「自由財産拡張基準(東京地裁)」などに照らして、自由財産として認められるかどうかが検討されることになります。

したがって、退職金債権については、単純に「4分の3は自由財産、残り4分の1は処分される」と考えればよいわけではありません。「まず退職金債権をどのように評価するのか」→「その評価された財産を自由財産として残せるのか」という二段階で考えることが重要です。

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③「新得財産」について

 
破産財団に組み入れられて処分の対象となる財産は、破産手続開始時に破産者が有している財産でなければなりません。

だから、破産手続開始後に破産者が新たに取得した財産は処分の対象となる財産とはなりません。この新たに取得した財産のことを「新得財産」といって「自由財産」と同じで破産者の管理が許されています。
 

④「破産管財人が破産財団より放棄した財産」について

 
自由財産は、基本的には破産者の最低限度の生活を維持するために破産者の手元に置くことが許された財産です。

でも、破産手続を円滑に進めるために都合上自由財産に含める財産もあります。

例えば、山奥にあるため全く価値がなく買い手が現れそうにない不動産とか、趣味的に非常にマニアックで、これまた買い手がつきそうにない品物は、買い手をさがすとか、維持管理するとか、そういったことで手間や費用がかかってきてしまいます。

そういった費用も破産財団から支払われますから、本来なら財産を増やす方向に持っていかなければならないのを減らす方向に働いてしまうので、このような財産は破産管財人の判断で破産財団から除外する必要があるのです。

以下のように整理すると、初心者でも理解しやすくなります。
 

(2) 破産者の申立てによる「自由財産の拡張」について

自己破産では、原則として「99万円以下の現金」「差押禁止財産」など法律で決められた一定の財産だけが「自由財産(本来的自由財産)」となり、破産後も破産者の手元に残すことができます(破産法34条3項)。
しかし、人によって生活状況はさまざまです。法律で決められた本来的自由財産だけでは、破産後の生活を維持できない場合もあることは、先に述べた通りです。

そこで破産法34条4項では”裁判所が必要と認めた場合には、自由財産の範囲を広げる(自由財産を拡張する)ことができる”と定めています。
たとえば、足が不自由な人にとって、自動車は単なる財産ではなく生活に欠かせないものです。このような場合には、自動車を自由財産として認めてもらえる可能性があります。

・破産法34条4項
裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後1月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。
・破産法34条5項
裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。

 

① 自由財産の拡張は自動的には認められない

本来的自由財産は法律で当然に認められますが、基本的に自由財産の拡張は自動的には認められません。破産者の申立てから始まります(破産法34条4項5項参照)。

● 基本的な流れは次のとおりです。(破産法34条4項参照)
1. 破産者が「この財産は生活する際に必要です」と自由財産の拡張を申し立てる
2. 破産管財人が本当に必要なのかを調査する
3. 裁判所がその調査結果を踏まえて許可するかどうかの最終判断する
つまり「生活に本当に必要な財産なのか」を裁判所が個別に判断する仕組みとなっています。
※ 破産者の拡張の申し立て➡ 管財人の審査 ➡ 裁判所の判断許可という三段階で決まります。

● 99万円基準の3つの役割 ●

役割 内容 法律か
運用か
わかりやすい解説
① 本来的自由財産の上限(法律上の役割) 現金99万円以下は破産財団に属さず、
自由財産となる(破産法34条3項)。
法律 破産法34条3項は「現金」に限った法律上の上限であり、現金ではない預貯金・保険返戻金・自動車などは、99万円基準が直接に適用されるわけではなく、別途20万円基準で判断される。
② 拡張申立ての判断の目安(実務上の役割) 総財産が99万円以下なら、申立てに
よる自由財産拡張が認められやすい。一方、99万円を超えても量的目安だから必ずしも拡張を認めないわけではない。但し、裁判所の判断は厳しくなる。
つまり、99万円基準は債権者の債権回収の利益の保護とのバランスを保ちながら、破産者の生活保障及び経済的更生を保障するに資する最低限の金額を示すものと言えます
裁判所運用 99万円を超える場合でも、その財産が生活を立て直すためにどうしても必要であり、代わりになる手段がないなどの事情がある場合には、自由財産拡張が認められる余地があります。
③ 生活再建の最低限度
(政策的役割)
破産者の生活再建を保障する役割(制度趣旨)。 法律+政策 民事執行法の生活保護的基準
(66万円)を1.5倍した金額が99万円。
破産者の再出発を支える政策的な
最低限度として位置づけられている。

② 申立てによる拡張を判断する一つの「量的な目安」が99万円

上記の表に示すとおり、99万円基準には3つの役割がありますが、この項目は上記の表のうち②の「実務上の役割について」詳しく説明したものです。

破産者の申立てから始まり、管財人の意見を聴いたうえで、裁判所の判断によって認められる自由財産の拡張は、単純に財産の金額だけで決まるものではありません。

裁判所は、主に次のような5つの事情を総合的に考慮して、自由財産の拡張を認めるかどうかを判断します(破産法34条4項参照)。
1. 破産者の今の生活状況
2. 財産の種類や金額
3. 今後の収入の見込み
4. その財産が生活や仕事にどの程度必要か
5. その他、自由財産として残すことが相当かを判断するための事情

そして、こうした個別事情による判断に加えて、自由財産としてどの程度の財産を破産者に残すかを考える際の「量的な目安」の一つとなるのが99万円です。
ただし、99万円は「99万円以下なら必ず拡張を認める」「99万円を超えれば絶対に認めない」という法律上の絶対的な上限ではありません。

99万円の範囲内であっても
財産の種類や生活上の必要性などによっては、拡張が認められないことがあります。

99万円を超える場合でも
生活再建のためにその財産を残す必要性が高いなどの事情があれば、例外的に99万円を超えて拡張が認められる可能性があります。ただし、99万円という目安を超えるため、判断はより慎重になります。

つまり、
「個別事情」
 ⇒ その財産を自由財産とするに必要性・相当性を判断する材料(上記の5つ諸事情)。
●「99万円」
 ⇒ どの程度まで自由財産を確保させるかを考えるための量的な目安

という関係です。

たとえば、同じ80万円の財産でも、仕事や生活に必要な自動車と、趣味で所有している80万円の高級腕時計とでは、拡張の判断が同じになるとは限りません。
自動車は、仕事上の必要性や代替手段の有無などから拡張の必要性が認められる可能性がある一方、高級腕時計は、生活再建のために残す必要性が低いとして、拡張が認められないことも考えられます。

このように、自由財産の拡張は**「99万円以下かどうか」だけで機械的に決まるものではありません。個別事情を総合的に判断したうえで、99万円という金額も重要な量的目安の一つとして考慮される**と理解するのが適切です。

拡張を認められやすい例・認められにくい例
● 認められやすい例
1.通院や通勤に欠かせない自動車
2.持病の治療費のための保険返戻金
3.介護を含めた生活を維持するために必要不可欠な設備
● 認められにくい例
1.高価な宝飾品
2.趣味やコレクション用品
3.高級ブランド品(日常生活に必要とはいえない)

③ まとめ

破産者の申立てで開始される自由財産の拡張は、認められるかどうかは一律ではなく、「生活に本当に必要な財産か」「債権者の利益を不当に害しないか」といった事情を裁判所が総合的に判断します(破産法34条4項)。
特に総財産が99万円以下であれば認められる可能性は比較的高いとされていますが、99万円を超える場合でも、病気や生活上の特別な事情があれば認められる可能性はあります。そのため、自由財産の拡張を希望する場合は、事情を十分に説明したうえで、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが大切です。
 

(3) 裁判所の職権による「自由財産拡張基準」について

自由財産拡張基準とは、本来は破産財団に属する財産について、破産者の生活再建のために一定の範囲で手元に残せるよう、裁判所が自由財産の拡張を判断するために設けている実務上の運用基準です。

本来、破産者が「この財産も手元に残したい」と希望する場合には、これまでも何度か申し上げてきたように、自由財産の拡張が当然に認められるわけではありません。
破産者が自由財産拡張の申立てを行い、破産管財人の意見を聴いたうえで、裁判所が、破産者の今の生活状況に照らした財産の種類や金額などを考慮して「この財産を手元に残すことが相当か」を判断するのが原則です。

しかし、破産法には、破産者の経済生活の再生を図るという目的があります。そのため、破産者の生活再建に必要と考えられる一定の財産についてまで、すべて一件ずつ同じように申立てを求め、個別に判断していたのでは、手続が煩雑になります。

そこで、各裁判所では、自由財産の拡張について「自由財産拡張基準」と呼ばれる実務上の運用基準を設けています。

この基準は、本来は破産財団に属する財産について、一定の種類・金額の範囲内であれば、原則として自由財産として扱うことで、自由財産拡張の判断を定型化・簡略化するための運用ルールです。

そして、破産法34条4項は、裁判所が「破産者の申立てにより又は職権で」自由財産の範囲を拡張することができると定めています。

なお「職権による拡張だから生活状況を考慮しない」というわけではありません。職権による拡張であっても、制度の本質は破産者の現在の生活状況に照らして必要性を判断する点にあります。ただし、生活再建に必要とされる典型的な財産については、裁判所があらかじめ基準を設けているので申立て拡張とは違って、基準に合致する財産については、破産者ごとに生活状況を細かく審査しなくても、職権による拡張として自由財産として扱うことができるという運用が行われているのです。

ところで、法律そのものには、拡張の範囲について「預貯金はいくらまで」「保険の解約返戻金はいくらまで」といった具体的な財産の種類や金額までは定められていません。

そこで東京地方裁判所では、破産法34条4項に基づく自由財産拡張について具体的な運用基準を設け、一定の財産について基準額の範囲内であれば、破産者から特別な拡張の申立てがなくても、職権による拡張の対象として、原則として自由財産として取り扱う運用をしています。

この意味で、東京地裁の自由財産拡張基準は、破産法34条4項による職権による自由財産拡張の仕組みを、実務上、具体化・定型化した運用基準と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、自由財産拡張についての具体的な運用は全国一律ではありません。財産の種類、基準額、合計額の考え方などについては、地方裁判所によって違いがあります。

東京地裁の運用は他の裁判所の実務を理解するうえでも重要な参考になりますが、全国すべてが完全コピーではないということです。したがって、自由財産拡張の対象となり得る財産がある場合には、破産手続を担当する裁判所がどのような運用を採用しているのかを、弁護士などを通じて事前に確認しておくことが重要です。

※34条3項と4項の関係ついて、
34条3項でまず本来的自由財産の範囲が確定する。 それを超えて破産財団に属する財産部分について、34条4項でさらに職権で自由財産の範囲を広げられるという二段階になっていると理解するとわかりやすい。

 

◆ 東京地方裁判所の「自由財産拡張基準(20万円基準)」について
東京地方裁判所では、自由財産の拡張について独自の運用基準(自由財産拡張基準)を設けています。
特に、下記の8種類の財産については、それぞれの評価額(清算価値)がおおむね20万円以下であれば、裁判所が破産者の申立てを要せずに職権で自由財産として扱う運用が採用されています。(※「おおむね」とは、原則20万円以下基準だが、家財道具や退職金のように金額ではなく種類・割合で判断される例外があることを意味します)

この場合は、申立て拡張でいう、破産者が申立てを行い、破産管財人の調査を経て裁判所が個別に判断する一連の手続は必要ありません。財産の内容や評価額が基準に適合することを確認したうえで、裁判所が職権により自由財産として扱うのが東京地方裁判所の運用です。(※20万円基準は法律で定められた全国共通ルールではなく、東京地方裁判所の運用基準)


預貯金の残高が20万円以下(同種の預貯金が複数ある場合は合計額)
解約返戻金の見込額が20万円以下(同種の保険が複数ある場合は合計額)
自動車の処分見込額(清算価値)が20万円以下
居住用家屋の敷金が20万円以下
電話加入権が20万円以下
退職金の支給見込額の8分の1が20万円以下の場合の退職金全額
退職金の支給見込額の8分の1が20万円を超える場合の退職金の7/8相当額
家財道具(通常の生活に必要な範囲)

 
● 自由財産拡張基準のポイント一覧 ●

項目 内容
自由財産拡張基準とは 本来は破産財団に属する財産のうち、生活再建のために一定の範囲で手元に残せるようにした裁判所の運用基準。
制度の目的 破産者の経済生活の再生を妨げないよう、最低限必要な財産を確保すること。
本来の手続 破産者の申立て → 管財人の意見 → 裁判所が生活状況・財産の種類・金額を踏まえて判断。
生活状況の考慮 自由財産拡張であっても、破産者の今の生活状況に合わせた必要性を考慮することは本来必要ですが、生活再建に必要とされる典型的な財産については、裁判所があらかじめ基準を設けているため、基準に合致する財産は、破産者ごとに生活状況を細かく審査しなくても自由財産として扱うことができる。
職権による拡張 職権だから生活状況を考慮しないわけではない。
基準に合致する財産については、生活状況の個別審査を簡略化できるという運用。
基準の内容 財産の種類・基準額・合計額などを定め、基準内であれば原則として自由財産として扱う。
東京地裁の基準 破産法34条4項の仕組みを具体化した運用基準。
預貯金・保険解約返戻金などについて基準額を設定し、申立て不要で自由財産扱いとする。
全国の運用 裁判所ごとに基準が異なる(財産の種類・基準額・合計額の扱いなど)。全国統一ではない。
実務上の注意点 由財産拡張の対象となり得る財産がある場合には、破産手続を担当する裁判所がどのような運用を採用しているかを知ることは不可欠。

 

(4) ここまでを整理する:自由財産が成立する3つのルート

①「本来的自由財産」

裁判所の職権によらず、法律上、最初から破産財団に属することなく自由財産として認められている財産をいいます。
典型例は、すでに説明した99万円以下の現金や差押禁止財産などです。
 ➡ 法律で最初から自由財産とされている

②「破産者の申立てによる自由財産の拡張」

本来的自由財産ではないため破産財団に属する財産ですが、破産者が「どうしても手元に残したい」と申立てを行い、管財人の調査を経て、裁判所が個別事情を考慮して自由財産と判断するものです。
 ➡ 破産者の申立て ⇒ 管財人の調査 ⇒ 裁判所の判断 ⇒ 自由財産

③「裁判所の職権による自由財産の拡張」

破産者の申立てがなくても、破産財団に属する財産のうち、生活再建のために共通して必要と認められる財産については、裁判所が職権で自由財産の範囲を拡張することができます(自由財産拡張基準)。
同時廃止事件では申立てや個別審査を省略するため自動的に適用され、管財事件では職権拡張の財産は自由財産扱いとなりつつ、破産手続き全体の適正調査は管財人によって行われます。自由財産認定の有無に関しては一切関与しません。
 ➡ 破産者の申立てなし ⇒ 管財人の調査 ⇒ 裁判所の職権(同時廃止は自動適用) ⇒ 自由財産
 

管財事件:職権拡張の財産は自由財産扱いとなるが、管財人は破産手続全体の調査のみ※(3)

区分 (a)本来的自由財産
(法律で自動)
(b)破産者の申立てによる拡張 (c)裁判所の職権拡張
(東京地裁の20万円基準)
拡張の始まり方 申立て不要。拡張ではなく法律で最初から自由財産となっている※(1) 申立て必要。破産者が「残したい」と申立てることで拡張の審理が始まる 申立て不要。裁判所が基準に合致すれば職権で拡張する
管財人の調査※(2)前半 同時廃止:調査なし
管財事件:破産手続全体の調査のみ(自由財産の認定には関与しない)
同時廃止:申立て拡張は通常行われない
管財事件:管財人は破産手続全体の調査のみ(自由財産の認定は管財人ではなく裁判所が行う)
同時廃止:調査なしで職権拡張が自動適用※(2)前半
根拠 破産法34条3項(法律が直接規定) 破産者の申立てに基づく裁判所の判断 破産法34条4項(裁判所の職権)
認定行為 不要(最初から自由財産) 必要(個別事情を裁判所が審査) 必要(基準に合致するかを裁判所が判断)
裁量の有無 なし(法律で固定) あり(事情次第) あり(裁判所の運用基準)
対象財産 現金99万円以下・生活必需品など 事情次第で幅広く対象になり得る 20万円以下の財産(東京地裁基準)
20万円以下の財産がある場合 同時廃止:他に問題がなければ同時廃止
管財事件:免責不許可事由があれば管財事件
同時廃止:申立て拡張は通常行われない
管財事件:申立て拡張は裁判所が判断(管財人は手続適正化の調査のみ)
同時廃止:職権で自由財産扱い
管財事件:職権拡張の財産は自由財産扱いだが、管財人は破産手続全体の調査のみ
柔軟性 低い(法律で固定) 高い(事情次第で幅広く認められる) 低い(基準外は対象外)
地域差 なし(全国共通) ほぼなし(裁判所の判断だが法律に基づく) あり(裁判所ごとに基準が異なる)

※(1) ➡ 本来的自由財産は法律上最初から破産財団には組み入れられていない財産であることが決まっているので、裁判所の判断、裁量は一切入りません。したがって、裁判所は職権ではなく職権を言う前に法律上自由財産として扱う義務があります。
そうなると、破産法34条4項にある「職権」のターゲットは本来的自由財産ではないし、破産者の申立てによる拡張でもない。ターゲットは東京地裁が作り出した運用上の拡張基準(20万円基準)ということになり、破産者が申立てをしなくても、裁判所が自ら判断して必要とならば自由財産拡張を認めることができる基準ということになります。
※(2) ➡ 事案が(a)(b)(c)のいずれであろうと、同時廃止ではない管財事件であれば、管財人は必ず選任されて審査を行います。でも、その審査内容は自由財産の認定には関与せずに、破産手続の適正化を確保するために主に下記の事情調査を行います。
(c)で財産が20万円以下ならば、通常は同時廃止なる可能性が高く管財人は選任されませんが、下記の事情が疑われ、裁判所も調査の必要性があると判断した場合は20万円以下でも管財事件になるケースがあり、その時は管財人は選任されて調査がおこなわれます。
  ・財産隠し
  ・偏頗弁済
  ・詐害行為
  ・免責不許可事由
  ・帳簿不備
  ・財産評価の不正確
  ・財産の性質が基準に合致しない(財産が贅沢品の部類)
※(3) ⇒ 管財人の調査では、自由財産の認定に関与はしないし、またそんな意図もないとしても、結果的にその調査結果が裁判所の自由財産扱いを否定する結果を導くことはあります。それは結果的にそうなったというだけで管財人が自由財産の認定に関与しているわけではないということです。この点が重要です。
 

 

99万円以下基準 総財産の上限清算価値が「99万円以下」であれば、原則的に自由財産拡張を認める 破産者の申し立て、破産管財人の調査、裁判所の決定によって決まる
20万円以下基準 上記の基本財産8項目については、個々の財産の評価額の上限清算価値が「20万円以下」であれば、原則的に自由財産拡張を認める 破産者の申立てから始まる一連の手続は不要で、裁判所の職権で決まる

 
以下は、主要なもの4つをチョイスして詳述します。

① 預貯金は20万円以下なら原則として自由財産を認める(東京地裁の基準をの運用)

破産法では、99万円以下の現金(手元にあるお金)は自由財産とされています。しかし、銀行口座にある預貯金は「現金」ではないため、この99万円の基準だけでは自由財産にはなりません。

そこで東京地方裁判所では、自由財産の拡張という運用により、預貯金の残高が20万円以下であれば、原則として自動的に自由財産として扱われます。したがって、申し立てから始まる審査・判断といった一連の流れも不要となります。ただし、預金口座を複数持っている場合は、口座ごとの残高ではなく、すべての預貯金を合計した金額で判断されます。
 

(a) 例えば、

A銀行: 10万円
B銀行: 6万円
C銀行: 5万円
合計金額: 21万円

という場合、各口座は20万円以下ですが、合計は21万円になります。
このように同じ種類(預貯金)の財産は合計して20万円を超えるため、東京地裁の20万円基準でも自動的自由財産にはなりません。預貯金全体が自由財産の拡張の対象外となってしまいます。「超えた1万円だけ」が処分対象になるわけではありません。
但し、総財産が99万円以下なので、破産者の申立て⇒ 管財人調査⇒ 裁判所判断の一連の手続きを経て21万円全額が自由財産として認められる可能性は十分にあります。
 

~ 他の財産との関係 ~

東京地裁では、預貯金のほかにも保険の解約返戻金などについても20万円基準があります。
 

(b) 例えば、

現金: 25万円
保険解約返戻金: 18万円
預貯金: 19万円
合計金額: 62万円

であれば、保険返戻金も預貯金もそれぞれ20万円以下なので、東京地裁の20万円基準で自動的自由財産になるということで自由財産として扱われます。25万円ついては現金なので自由財産として扱われます。
 

(c) 一方、

現金: 18万円
保険解約返戻金: 32万円
預金: 28万円
合計金額: 78万円

現金18万円は現金であり99万円以下ですから本来的自由財産となります。ところが、保険の解約返戻金32万円と預貯金28万円は現金ではなく返還請求権という債権ですから、それぞれ東京地裁の20万円基準が当てはまりますが、20万円を超えているため「自動的自由財産」には該当しません。
もっとも、この事例では現金・保険・預貯金を合わせても78万円であり、自由財産全体の上限金額のは99万円以下ですから、破産者の申し立てから始まって管財人の審査や裁判所の判断の一連の流れを経て、保険32万円や預貯金28万円の全体について自由財産と評価されれば、処分対象から外され自由財産と認定される可能性があります。
 

(d) ところで、

現金: 65万円
保険解約返戻金: 18万円
預貯金金: 19万円
合計金額: 102万円

の場合、現金65万円は99万円以下なので本来的自由財産であるのに対して、保険解約返戻金18万円と預金19万円も、それぞれ20万円以下であり、東京地裁の運用上で認められた自由財産として扱われます。
20万円基準
⇒ 各財産ごとに「この範囲なら原則として自動的に自由財産として扱う」という運用基準

99万円基準
⇒ 自由財産全体のボリュームを判断する上位の法的基準

上記の分類で示す通り20万円基準と99万円基準とでは、レイヤーが違う。つまり二層構造になっている考えるのが妥当です。したがって、他の個々の金額が20万円以下で自由財産の枠内であっても、合計金額が102万円となって自由財産全体の上限の目安とされる99万円基準を超える場合は、その超過部分の3万円は自動的に自由財産の枠内となるわけではありません。その部分は破産財団に組み込まれます。
その超過部分も自由財産に含ませたいのであれば、原則に戻って裁判所による個別の自由財産拡張の判断が必要となります(破産者の申立てから始まる管財人の審査、裁判所の最終判断が必要)。
 

 

自由財産の上限金額を超えた(d)のケース、自由財産上限を超えていない(e)のケース、両方に大きな違いがあるにもかかわらず、両方とも申し立てから始まる一連の流れを経て判断されるという点では同じですが、違うのは裁判所が認める難易度です。
総自由財産が99万円以下であれば、破産者が自由財産拡張を申し立てた場合、裁判所は原則としてこれを認める方向で判断します。一方、99万円を超える場合でも申立て自体はできますが、裁判所はより慎重に審査するため、自由財産として認められる難易度は高くなります。

ということは、99万円基準は自由財産の上限を示す指針を示すものとして「申立てが要るか要らないか」を分ける基準ではなく「自由財産拡張が認められやすいかどうか」を分ける基準といえます。

総自由財産の額 自由財産拡張の申立て 自由財産として認められる可能性
99万円以下 必要 高い
(原則として自由財産拡張が認められやすい)
99万円超 必要 低い
(個別事情を慎重に審査して判断される)
◆初心者向けに覚えておきたいポイント◆
99万円基準は手元にある現金(本来的自由財産)に適用される。
銀行預貯金は99万円基準の対象ではない。
東京地裁では、預貯金の合計が20万円以下であれば、原則として自由財産として扱われる。
複数の預金口座がある場合は、口座ごとではなく合計額で判断する。
預貯金の合計が20万円を超えた場合でも、直ちに処分されるわけではない。自由財産拡張の申立てにより、自由財産として認められる可能性がある。
自由財産拡張の申立ては、原則として裁判所の判断が必要である。
自由財産として確保したい財産の総額が99万円以下であれば、自由財産拡張は比較的認められやすく、99万円を超える場合はより慎重に判断される。

自由財産は条文上では破産法34条で「99万円以下の現金(手持ちのお金)」とされていることから、99万円以下でもそれが銀行の口座に入っている「預金」であるならば、それは自由財産にならないことになります。
点では
ただ「自由財産の拡張」の必要性から20万円以下の範囲であればそれが「預金」であっても、それは自由財産を拡張することで処分対象から外れるということです。

そして、預金口座が複数ある場合は、その複数の合計額が20万円以下か否かで判断されます。

たとえば、預金口座をABC の3つ持っていて、A口座には10万円、B口座には6万円、C口座には5万円あったとします。この場合、個々の口座を見ると、残高20万円を超える口座がないから、自由財産の拡張が認められそうですが、口座残高を合計すると21万円となり20万円を超えます。このような財産の種目が同じ場合は21万円全額が処分対象となって、自由財産の拡張とはならず破産財団に組み込まれることになります。超過した1万円分だけ処分の対象となるというわけではありません。
 
 ・自宅にある資産として現金が25万円、保険の解約返戻金が18万円、銀行預金が19万円ある場合には、3つの財産の合計が62万円となり99万円を超えていませんから、この保険の解約返戻金と銀行預金はいわゆる「現金」ではないので、自由財産にはなりませんが、それぞれ20万円以下なので、破産者の申立て、管財人の調査、裁判所の許可といった一連の手続要件は必要なく、当然に自由財産の拡張は認められることになります。よって、この62万円は自由財産の拡張として破産財団に含まれず処分対象となる財産にはなりません。

 ・自宅にある資産として現金が75万円、保険の解約返戻金が18万円、銀行預金が19万円ある場合には、3つの財産の合計額が102万円で99万円を超えることになるので、保険の解約返戻金と銀行預金の個々の金額が20万円に達していなくても現金と保険の解約返戻金と銀行預金の合算が99万円を超える102万円であれば、破産者の申立て、管財人の調査、裁判所の許可といった一連の手続要件がクリア(難しい)されないかぎり、その超過部分の3万円は自由財産の拡張分とはならず破産財団に組み込まれ処分対象の財産とされます。

 ・自宅にある資産として現金が18万円、保険の解約返戻金が32万円、銀行預金が28万円ある場合には、3つの財産の合計は78万円で99万円以上になりませんが、保険の解約返戻金と銀行預金の金額がおのおの20万円を超えています。この場合はどうなるのでしょうか?から、保険に関しての12万円分、銀行預金に関しての8万円分は「自由財産の拡張」によっても自由財産とすることはできません。その分は処分対象となり、それぞれ解約を強いられて各債権者に比例配当されることになりますが、三つの合計が99万円を超えていないから、現金の18万円を除外した解約返戻金の12万円と銀行預金の8万円の分は、破産者の申立て、管財人の調査、裁判所の許可といった一連の手続要件がクリア(比較的優しい)されれば、自由財産の拡張がみとめられ処分対象から外されます。

② 評価額が20万円以下のクルマは自由財産

クルマは原則として自由財産ではありません。ローンをすでに完済しているクルマは資産・財産ですから自由財産に該当しない以上、自己破産をすると所有しているクルマは処分の対象物となります。

ただ、東京地方裁判所での自由財産拡張基準によると評価額が20万円以下の自動車は、処分の対象とはならず自由財産となります。自己破産申立時には時価を明らかにしなければならないので業者に査定書を作ってもらう必要があります。

③ 20万円以下の保険の解約返戻金は自由財産

20万円以下は、複数の保険契約の解約返戻金の合計金額で判断します。
      
たとえば、A・B・C の3つの生命保険に加入していて、A保険には10万円 B保険には6万円 C保険には5万円の解約返戻金見込みがあったとします。

この場合、個々の保険をみると解約返戻金見込額が20万円以上のものはないから、自由財産の拡張が認められそうですが、複数を合計すると21万円で20万円以上となるので解約され処分の対象になります。

ただし、生命保険の場合は、高齢者や病気の方は一度保険を解約してしまうと再加入することは非常に難しい点もあることから、複数合計が20万円を超える場合でも、総財産額99万円以下であれば、破産者の申立て、管財人の調査、裁判所の許可といった一連の手続要件がクリア(比較的優しい)されれば、自由財産の拡張がみとめられ処分対象から外されます。

④ 退職金債権

『もうすでに退職しているけど、まだ退職金はもらっていない場合』『まだ退職していないけれど破産手続き中に退職するのが確定している場合』については、すでに前述したとおりです。素直に民事執行法152条の適用があります。

問題はこれも先に若干触れましたが『破産者がまだ退職をしておらず、かつ今現在退職する気持ちもさらさらなくて定年まで働き続けたいと思っている場合』の対処です。この場合は、今現在退職金は受け取っていないし、近い将来受け取る予定もないし、実際に受け取るにしてもかなり先になります。というよりも果たしてきちんと支給されるのか?その時期まで会社が存続しているのか?等々かなりの不確定要素があります。

そういったなかで、民事執行法152条を適用して1/4相当額を処分の対象とするのは、本人に意に反して早期に退職してもらうか、あるいは破産管財人が会社に1/4相当部分の前払い請求をするしかないのです。でも、そもそも前者はそのためだけに職を失うので酷で現実的じゃないし、仮に退職したとしても本人は収入源を失ってしまいます、後者だと自己破産の事実を会社に知られてしまい、以後の破産者本人の勤務環境にかなりの悪影響を及ぼす恐れがあります。

じゃあ~、それらを避けるためには、本人自らが独力でその1/4の金額を調達するというのも自己破産をしようとまで考えている人にとってかなりの負担のはずです。

そこで、この問題は民事執行法152条の適用はなく「自由財産の拡張」の模索する領域として、自由財産を152条の3/4の倍である7/8相当額とし、処分対象は1/4の半分である1/8相当額とすることによって、破産者が日常生活を送るなかで経済的更生を図ることに一定の配慮を示しているのです。

ただ、東京地裁はここでも20万円という数字を「自由財産の拡張」の金額限定の数値として使われています。下記の二つの場合分けを参照。

 ・退職金支払見込額の8分の1相当額が20万円以下の場合は自由財産は?
民事執行法152条で退職金債権額の3/4相当額が自由財産、1/4相当額が処分対象となりますが「自由財産の拡張」により7/8相当額が自由財産、1/8相当額が処分対象額となります。
但し、もしその1/8相当額が20万円以下になった場合はさらに拡張されて、退職金債権額全額が拡張された自由財産となり1/8相当額も含めた全額が自由財産と評価されます。つまり、処分の対象となる金額はなくなり、この場合は「管財事件(通常は少額管財事件)」ではなく「同時廃止」として破産手続開始と同時に終了となります。これは破産者本人にとって非常に有利なことです。

 ・退職金支払見込み額の8分の1相当額が20万円を超える場合は自由財産は?
もし、今勤務先を退職した際の退職金額が300万円だったら、その1/8相当部分は37万5千円となり上記とは違って20万円を超える金額になります。したがって、その37万5千円は破産財団に組み込まれて「管財事件(通常は少額管財事件)として扱われて処分の対象額になります。そして、自由財産の拡張として認められるのは7/8相当部分の262万5千円の部分(300万円ー37万5千円=262万5千円)だけとなります。(※300万×7/8=262万5千円)
 

関連記事:自己破産手続では「管財事件」と「同時廃止」の2種類 ある ~両者の特徴と振り分け基準は?費用の違いは?~  ※該当箇所⇒東京地方裁判所の振り分け基準について


      
なお、37万5千円が処分の対象となって債権者が複数いたら各債権者に比例配当しなければなりません。ただ、その破産者本人はまだ退職などしていなく現実に退職金も一銭も受け取っていないので、その金額は破産者自らが独力で調達することになります。

この場合は負担が大きいと思われますが、先に述べた原則の民事執行法152条がそのまま適用されると自由財産が225万円、処分対象額が75万円となり、この原則の方が負担額はずっと重いわけです。そう考えると、自由財産の拡張を適用した場合の方が、負担額が軽いので破産者本人にとってはずっと有利なわけで、37万5千円は破産決定後の収入から積立するなど色んな方法を駆使して確保することになります。

思うに、退職金の場合、退職のタイミングによって受け取れる退職金の金額が大きく変わることもあります。弁護士等の専門家に相談することで自己破産のタイミングを調整すれば、ベストな結果に繋がる可能性が高いです。

自己破産手続開始時期の状況
自由財産
処分対象の財産
いま退職していないまたその考えもない(1/8が20万円未満)
※自由財産の拡張場面
8分の8
8分の0
いま退職していないまたその考えもない(1/8が20万円以上)
※自由財産の拡張場面
8分の7
8分の1
退職しているがまだ退職金は受領してない
※原則⇒民事執行法152条
4分の3
4分の1
破産手続中に退職することは決定
※原則⇒民事執行法152条
4分の3
4分の1

 

● 自由財産の拡張についてまとめ

 
結局、自由財産の拡張は、総財産の評価額が上限99万円までであれば認められやすいということです。

「認められやすい」という意味は、自由財産の拡張を認めてもらうためには、その旨を申し立てて破産管財人にその必要性を説明し、その聞き取りを通じて裁判所がそれを認めるという手順を踏まなければなりませんが、ただ、その難易度は決して高くはないということです。

必ず認められるとはいえませんが、総財産の評価額の上限が99万円の範囲内であれば現金以外の財産であっても、比較的自由財産の拡張が認められることが多いとされています。

例えば、45万円の現金を持っている場合には、54万円までの範囲であれば、現金以外の財産についても自由財産として所有が認められやすいです。

それに対して、もし、総財産の評価額99万円を超えている場合、拡張は絶対に認められないわけではありませんが、その難易度はかなり高くなります。つまり、現金100万円と保険金50万円であれば、99万円を超えると基本的にはその全額が自由財産として残すことは出来ません。

ただ、破産者からの申立て⇒破産管財人の調査⇒裁判所の判断を通じて、総財産の上限99万円を超えていても、自由財産として残していくのが相当と認められるとされれば拡張は認められることになります。ただ、認められる例はあまり多くありません。

ところで、前述しましたが「預貯金」「生命保険解約返戻金」「自動車」「居住用家屋の敷金債権」「電話加入権」「退職金債権」といったう基本財産については、個々の財産の評価額の上限が「20万円以下の場合」であれば原則的に自由財産の拡張を認めます。しかも、破産者の申立て、破産管財人の調査等は不要で、裁判所が職権で認める形式なります。⇒東京地方裁判所の「自由財産拡張基準」
 

 

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※申込後の日本法規情報からの連絡に応じないと無料相談は受けられないので注意を要します

「日本法規情報 ~債務整理相談サポート~」とは法律事務所ではありません。だから依頼人が抱えている借金問題を法的に解決するとか、あるいは依頼人に代わって債権者側と交渉するとか、そういった直接的な行動をとることはしません。この制度はあくまで借金返済に苦しむ人たちの相談窓口の無料案内サービスを行います。そのために全国各地1000以上の弁護士・司法書士事務所が登録され3000人弁護士・司法書士が登録されています。
もう少し具体的に言うと、借金問題といってもその有り様は千差万別です。当然に解決へのプロセス及び解決の方法も異なってきます。そういったなか、専門家であっても分野によっては得手不得手があります。だから、この制度は依頼人の希望に十分に応えるために、それに適した専門家を選んで専門家と依頼人を結ぶつけるサービスを行っているのです。そして、一件の依頼につき複数の法律事務所をご案内します。

無料法律相談は何回でもOKです!

したがって、初めての方がなんのツテもなく依頼人の希望に沿った事務所を探すのは結構大変なことだし、さらにまだまだ一般人にとっては弁護士事務所の敷居はまだまだ高くて最初から弁護士と相対することになると、緊張して自らの借金問題について正確に伝えられない恐れもあります。だからこそ、依頼人と専門家との間の橋渡しの役割を果たす「日本法規情報」のような存在が重宝されるのです。そして、現在では毎月3000人もの相談者がこの無料相談ツールを利用しています。
「債務整理相談サポート」の申し込みは、オンライン上で24時間どこにいても1分程度で必要項目を入力ができ申し込みが完了します。その後にその入力内容に沿った複数の事務所が案内されます。その手順は基本的には下記の(1)~(6)の順で進みます。依頼人が各々事務所に出向きそれぞれの専門家と面談して、事務所によって濃淡はありますが、依頼人にとって関心事である「あなたに合った借金を減らす方法はあるのか?それは何か?」「おおよそどのくらい借金が減額されるのか?あるいは全額免責可能なのか?」「どうやってリスクを回避するか?」等々が回答されるので(ここまでが無料)、後はどの法律事務所にそれを実現するための債務整理手続きを依頼するかを依頼人自身が判断して決めることになります。

(1)電話またはオンライン上のお問い合わせフォームに必要項目に入力して申込する。
(2)相談パートナーより申込日より3営業日以内に電話またはメールにて相談内容の確認と専門家の希望条件をお尋ねします。。
(3)依頼人の要望する条件に合った事務所を複数案内します(平均3~5事務所)。
(4)電話かメールで案内された事務所とやり取りして無料相談の日程を調整する。
(5)依頼人の方から直接事務所に出向いて無料相談を受ける(案内されたすべての法律事務所と無料相談可能)。
(6)無料相談を受けた複数の法律事務所の中から実際に債務整理手続きをお願いする事務所を決めたらをその事務所に依頼する。なお、必ずしも具体的な債務整理手続きを依頼することなく無料相談で終わってもかまいかせん。

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