「任意整理」が選ばれる理由は? ~ 任意整理するに適した借金の種類と金額、向いている人は?~
2025/06/28
(1) 裁判所を通さずに当事者間で交渉ができるから非常に柔軟性がある
(2) 返済計画を自分でコントロールできる
① 返済条件を変更できる
② どの借金を整理の対象にするか選べる
③ 裁判所を通さないため、手続きの自由度が高い
(3) 「将来利息」だけでなく「経過利息・遅延損害金」もカット可能なのが利点
①「将来利息」をカットすると下記のメリットが得られます
(a) 総返済額を大幅に減らすことができる
(b) 毎月の返済額が軽減されることになる
(c) 完済までの見通しが立ちやすい
(d) 精神的な負担の軽減を図れる
(e) 完済までの期間が大幅に短縮される
②「経過利息」「遅延損害金」をカットすると下記のメリットが得られます
(a) 総返済額の大幅削減
(b) そのほかの重要なメリット
(4) 自己破産のように資産処分を強いられることはありません
■「任意整理」をするに適した借金の種類と金額、向いている人は?
(1) 「任意整理」をするに向いている借金の種類
(2) 「任意整理」をするに向いている借金の額(目安)
(3) 「任意整理」をするに向いている人
■ 借金問題の無料法律相談のご案内
・日本法規情報 (債務整理相談サポート)
■「任意整理」を選ぶ理由は?
(1) 裁判所を通さずに当事者間で交渉ができるから非常に柔軟性がある
任意整理は裁判所を通しません。これがこの手続きの最大の特徴であり、これを起点に様々なメリットを導かれます。
任意整理は、弁護士や司法書士が債権者(金融機関やカード会社など)と直接交渉して合意(和解契約)を通じて借金の減額や返済条件の見直しを図る手続きです。
だから、裁判所が絡んでくると避けられない申立書やその他複雑な書類作成などが不要で、裁判所への出廷義務もないので、心理的・手続き的な負担の軽減されます。したがって、任意整理はシンプルでスピーディーな生活再建を目指しやすい点が大きな特徴です。
また、裁判所を通さないので、裁判所からの家庭や職場への連絡、通知もないので、手続きが外部に知られることがなく、官報にも掲載が無いのでプライバシーが守られやすい。したがって、最も利用頻度が高い債務整理手続きといわれています。
(2) 返済計画を自分でコントロールできる
「返済計画を自分でコントロールできる」とは、総じていえば、他の債務整理手続(たとえば自己破産や個人再生)と比べて、債務者の意思や事情が反映されやすいという特徴があることを意味しています。
① 貸し借りの当事者間で返済条件の交渉ができる
任意整理は、裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して返済条件を決められます。
したがって、債務者の収入や生活状況に応じて、
●月々いくら返済できるか
●何年かけて返済するか(通常3年〜5年程度)
●将来利息・遅延損害金をカットできるか
といった条件を相談のうえ、合意できる範囲で調整することができます。
② どの借金を整理の対象にするか選べる
任意整理では、すべての借金を整理しなければならないわけではありません。「消費者金融だけ任意整理する」とか「住宅ローンやクルマのローンは整理の対象から外し今まで通り支払いを続ける」といった自分の希望する借金を選んでそれのみを債務整理することができます。任意整理は債権者と個別に直接交渉が出来る点に大きな特徴があります。
複数ある借金のうち保証人付き借金だけを任意整理の対象から外して、任意整理することで保証人に請求がいかないようにすることができます(保証人に迷惑をかけないために)。
以上は自己破産や個人再生ではできない柔軟性を持っているのを意味します。
③ 裁判所を通さないため手続きの自由度が高い
任意整理は裁判所を通さないため、手続きの自由度が高く弁護士や司法書士を通じて私的に行う手続きであり、よって、裁判所の厳格な審査やルールに縛られないため、
●収入・支出の把握
●書類の準備
●弁済計画の作成
といった部分で比較的自分のペースや状況に合わせやすい手続になっています。
※注意点※
自分でコントロールしやすいといっても、すべてがすべて必ず思い通りになるわけではありません。「任意整理」は交渉事なので相手の債権者が交渉に応じなければ「任意整理」は成立しません。仮に、お互いに交渉の席についても返済計画が現実的でなければ和解に至らず任意整理は成立しません。ただ、一旦和解が成立し任意整理が成立したら返済計画通り支払っていく法的拘束力が発生します。もし、遅れると一括請求されることもあります。
~図解で表わすと~
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│ 任意整理の特徴:柔軟な返済計画 │
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🧑💼債務者(あなた)
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│① 返済額を相談できる│
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→「月3万円なら払える」と交渉可能
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│② 返済期間を決められる│
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→「3年かけて返済」など計画的に調整
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│③ 整理する借金を選べる │
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→「住宅ローンはそのまま、消費者金融だけ整理」
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│④ 裁判所を通さないため手続きが簡便 │
└────────────────────┘
→ 裁判所の審査や報告義務なし
⬇︎
【交渉成立】
→あなただけのオリジナル返済プランが完成!
【注意】
債権者が納得しないと成立しない!
~フローチャートで表わすと~
【スタート】
↓
あなたの収入・支出状況を整理する
↓
いくらなら月々返済できるか試算
↓
【STEP1】返済条件の希望を考える
→ 月額、返済期間、金利カット希望 など
↓
【STEP2】弁護士等が債権者と交渉
↓
債権者の同意が得られる?
├── はい → 【和解成立】自分に合った返済プランで開始
└── いいえ → 交渉不成立 → 他の手段(個人再生など)検討へ
(3)「将来利息」だけでなく「経過利息・遅延損害金」もカット可能なのが利点
任意整理による元本の減縮やカットについては期待できませんが、債務者にとって決してバカにできない「利息」のカットは高い確率で実現することができます。
①「将来利息」をカットすると下記のメリットが得られます。
(a) 総返済額を大幅に減らすことができる。
「将来利息」は、非常に高い確率でカットされます。すると、返済すべき総額が減少することになります。たとえば、利息が年15%であれば、返済に3年・5年の分割返済であった場合、かなりの利息が上乗せになるはずですが、その利息が任意整理することでカットでゼロになるため「借りた金額、元本だけ」を返済すればよいことになるのは大きな利点といえます。
(b) 毎月の返済額が軽減されることになる。
総返済額が減って返済額は元本だけになるので、毎月々の返済額も低くなり、結果として他の支出に余裕が生まれて、家計の再建に向けて大きな手助けとなります。
(c) 完済までの見通しが立ちやすい。
利息が付くと元本はなかなか減らず返済期間が長期化・困難になるなることが多いですが、利息がカットされゼロになれば、月々の支払いが確実に借金が減っていって完済に近づいている実感と安心感をを持てるようになります。
(d) 精神的な負担の軽減を図れる。
「返しても、返しても減らない」という悪循環から脱却できるため、借金返済に対する精神的ストレスが大きく軽減されます。将来の生活設計が考えやすくなります。
(e) 完済までの期間が大幅に短縮される。
利息の支払いがなくなった分、早期完済も可能となります。
※返済シュミレーション
● 借入金額(元本):100万円
● 利率:年15%(一般的な消費者金融の利息)
● 毎月の返済額:3万円
● 任意整理前:利息あり
● 任意整理後:将来利息カット、元本のみ分割返済(3年=36回払い)