個人再生を選ぶ理由~ 債務整理の中で“最もバランスが良い”手続だから~
2026/01/17

■ なぜ「個人再生」を選ぶのか?
●「個人再生」とは?
●「個人再生」を選ぶ理由一覧
●弁護士が個人再生はバランスが良くて実現性の高い手続として評価される理由
● 個人再生が向いているのはどんな人?〜利用できる条件と当てはまる人の特徴〜
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■ なぜ 個人再生を選ぶのか?
<他の債務整理の選択理由はこちら>
・任意整理を選ぶ理由
・自己破産を選ぶ理由
借金の返済が苦しくなったとき、多くの人がまず考えたいのは、一番手軽な手法である「任意整理」だと思います。
それがうまくいかないとわかっても「自己破産だけは避けたい」という思いも事実でしょう。
そんなときに現実的な選択肢となるのが「個人再生」です。
個人再生は、借金を“返せる水準”まで大幅に減らし、家や生活を守りながら再スタートできるという、債務整理の中でも“最もバランスが良い”手続です。
本稿では、借金の返済に悩む債務者の視点に立って、
個人再生がどのような場面で役立ち、どのように機能しているのかを整理していきます。
一見すると複雑に見える手続ですが、実際には現実的で利用しやすい制度であることを、
具体的な理由に沿って明らかにしていきます。
まず、ざっくりですが、こうした特徴から、個人再生は次のような人に特に向いています。
・安定した収入があるけど、継続して返済していくのは困難。
・任意整理では解決は難しい自己破産は絶対に避けたい
・再出発のために自宅などの財産を失いたくない
・借金の原因にギャンブルや浪費があるけど借金を整理したい
● 個人再生とは?
個人再生とは【返せない借金を「返せるレベル」まで合法的に縮めて家も生活も守りながら再スタートできる公的な再建プログラム】です。「住宅だけは処分せずに、他の借金だけ減らせる」
➡「個人再生」の基礎解説編(定義・要件・内容など)について詳細はこちら
- 任意整理より強力(元金にもメスが入る)
- でも自己破産より軽やか(財産を手放さず、返済して再スタート)
- 裁判所監督のもとで、着実に生活が戻る
任意整理が「内装のリフォーム」だとしたら、個人再生は “家そのものの構造を変えるレベル”の本格工事のイメージ。
● 個人再生を選ぶ理由一覧
(1) 財産を守りながら借金の元本も大幅に減額できる
個人再生のいちばんの特徴は、借金の「元本」を大幅に減らせる点にあります。
任意整理では利息のカットしかできないので、元本が大きいと借金問題の解決はかなり難しいですが、個人再生なら元本そのものを「返せない額」から「返せる額」に変えていきますので、借金問題解決に大きく資するから選びます。
減額できる割合は約5分の1から条件次第では最大10分の1まで減額でき、しかも財産も守れるので、返済が苦しい人にとってはとても大きな助けになります。
※例:借金600万円 → 個人再生で120万円に減額 → 原則3年で分割返済(月約3.3万円)
(2) 安定した収入があれば手続きできる
個人再生は、継続して安定した収入がある人なら申し立てできます。パート・アルバイト・自営業者でも問題ありません。
各人の収入に合わせて無理のない再生計画を立てることができ、しかも借金の元本そのものも減額できる手続なので、利息カットのみの任意整理では解決できない大きな借金であっても現実的な返済再生プランが築けるから選びます。
(3)「自己破産」を避けたいという強い希望がある
任意整理では解決が難しいものの、自己破産には抵抗がある。こうした気持ちを抱える人は少なくありません。破産に対しては「世間体が気になる」「できれば避けたい」という心理的なハードルがどうしてもつきまといます。
そのような場合、財産を守りながら返済を続けられる個人再生が
現実的な選択肢として選ばれます。
(4) 現在住んでいる自宅や財産を失いたくない
自己破産を選ぶと通常は自宅は処分の対象になってしまいます。その他の財産も一定の範囲を除き処分の対象になります。
だから、一定の条件のもと家を守れる仕組み(住宅ローン特則)を備えている個人再生を選びたい。つまり、個人再生で住宅ローンはそのまま維持されて、それ以外の借金(消費者金融など)が大幅に減額されて、その減額した借金分を住宅ローンの返済に回せるから選びます。
ひいては、この仕組みは基本的に住宅ローン会社にとっても不満はないといえます。
(5) 借金の理由を問わない
自己破産の場合、借金の返済義務を免責にしてもらうなら、裁判所から「免責許可」を受ける必要がある(免責不許可事由にあたらないことが必要)が、個人再生には「免責不許可事由」はないので、借金がギャンブルや浪費で生じたとしても借金の理由を問われずに手続きを進められるから選びます。
(6) 裁判所の関与により債権者との個々の交渉をしなくてもいい
裁判所が関与しない任意整理は債権者ごとに個別交渉でき、それが一つの売りポイントですが、裁判所が関与する個人再生では利害関係を持つ債権者すべてを裁判上に登場させ統一的解決を図ることになります。
だから、面倒な個別交渉は不要で全債権者に同じ内容の再生計画案を提示して裁判所が認可すれば足ります。小規模個人再生の場合は、提示した再生計画案が債権者の多数決で可決されれば(書面決議)、すべての債権者に効力が及んで少数反対者の意向は無視できるから選びます。(給与所得等再生は書面決議不要)
(7) 返済金額と返済期間が決まっているので、将来への家計再建プランが立てやすい
個人再生では、法律の基準に則って借金の総額が大幅に減額されます。
そして大きく減額された最低弁済額が算出され、それを3〜5年間で分割して払えばいい、というルールが明確に決まっている。しかも一定の条件のもと家も財産も守られるので、家計再建に大きな貢献を果たせるから選びます。
(8) 債務整理したことを家族や職場に知られにくい
官報への掲載はあるけれど、見る人はほとんどいません。
家族にバレる原因になりがちな「財産処分」「給与差押え」などが基本的に発生しないし、裁判所からの郵便物は個人名で届くため、郵送物から家族にバレる可能性も低いから選びます。
(9) 特定の職業、資格に基づく業が制限されることはない
特定の職業、資格による収入源を失うことがないから、生活を安定させながら再生計画を進めることができる。
個人再生の手続きを進めるために休職する必要がないため、同僚や上司に怪しまれるリスクを減らすことができるから選びます。
・それなりに継続した安定収入がある
⇒ 個人再生は各人の収入に応じた再生計画を立てられる
・でも、このままでは返済が難しく、借金を減額したい
⇒ 個人再生なら利息のカットはもちろん借金の元本も減額し、家計の再建を目指せる
・破産は避けたいし、財産や自宅は守りたい
⇒ 個人再生なら財産を残し、住宅ローン特則で自宅も守れる
・借金の理由が褒められたものではない(ギャンブルや浪費など)
⇒ 個人再生は「免責不許可事由」がないので理由を問われない
● 弁護士が個人再生はバランスが良くて実現性の高い手続として評価している理由
個人再生は、「借金を大幅に減らせる」「財産を守れる」「無理のない返済計画を立てられる」という債務整理で特に重要な3つの要素を高いレベルで満たした制度です。
そのため、依頼者の状況に幅広く対応でき、弁護士からも「現実的で再スタートしやすい制度」として評価されています。
(1) 債務整理の中で「ちょうどよい立ち位置」にある
個人再生は、借金を大幅に減額できる一方で、財産や自宅を手放さずに再スタートできる可能性があります。
任意整理より減額効果が大きく、自己破産のような財産処分のリスクも避けられるため、“中間的で実用性の高い選択肢”として位置づけられています。
(2) 家計再建の現実的な見通しが立てやすい
最低弁済額を3〜5年で分割返済する仕組みが法律で定められているため、返済計画が立てやすく、家計の立て直しが現実的に進められます。
無理のない返済額に調整されることが多く、制度としての実現性が高い点も評価されています。
(3) 社会的信用・立場を維持しやすい
個人再生には、自己破産のような「職業・資格制限」がありません。
そのため、公務員・会社役員・士業など、社会的立場を維持したい人にとって大きなメリットがあります。
(4) 裁判所が関与するため法的安定性が高い
裁判所の監督のもとで手続が進むため、透明性と法的安定性が確保されます。再生計画が認可されれば債権者も法的に拘束され、計画的な返済が進められます。
| 利息カット中心。元本は減らない。 | |||
| 高価な財産は処分される | |||
| あり(減額された金額を返済) | なし(免責されると返済不要) | ||
| 資格・職業の制限 | 一部の資格・職業に制限がある | ||
| 軽い負担だけど効果は少ない | 負担と効果のバランスが良い | 効果は大きいが負担も大きい |


