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簡易裁判所から「支払督促」状が届いた後の流れとその対処法は?
2026/07/25
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■支払督促の特徴
■支払督促の選ばれやすい理由(メリット)
■「支払督促」状が届くまでの流れ
■「支払督促」状が届いたそれ以降の流れ
■「支払督促」のデメリット
■では 支払督促を受けた滞納者はどう対処したらいいか?
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■ 簡易裁判所から「支払督促」が届いた後の流れと対処法
● 支払督促とは?初心者にもわかる基本構造
(1) 債権回収の4つの法的手続き
「借金や売掛金などの金額をなかなか返してもらえない」状況が続いたとき、債権者(貸した側)が法的に回収する方法はいくつかあります。代表的なものは次の4つです。
2.「少額訴訟」⇒ 60万円以下の簡易な裁判
3.「民事調停」⇒ 話し合いによる解決
4.「支払督促」⇒ 裁判所が書類審査だけで出す督促状
1.「民事訴訟」は、裁判官が双方の主張や証拠を確認し、判決で解決する通常の裁判です。※但し、簡易裁判所は140万円以下、地方裁判所は140万円超が管轄となります。
2.「少額訴訟」は、60万円以下の金銭請求に使える簡易な裁判手続きです。1回の審理で判決が出るため迅速化が図られます。
3.「民事調停」は、裁判所の調停委員が間に入り、話し合いで解決を図る手続きです。合意内容には判決と同じ効力があります。
4.「支払督促」は、債権者の申立てに基づき、裁判所書記官が書類審査だけで支払いを命じる制度です。異議がなければ判決と同じ効力を持ちます。
この記事でのメインテーマは、4つ目の「支払督促」となります。「支払督促」とは、簡易裁判所が書類審査だけで「お金を支払いなさい」という内容の督促状を出す制度といえます。
簡易裁判所が扱う民事事件には上記に示す通り、いくつか種類があって、その中でも「民事訴訟」は紛争解決の典型的な手段で一番受付件数が多い手続きです。
でも、実際に訴訟を提起するとなると、手間・労力・時間・費用の負担が大きく、場合によっては債権者が躊躇する場面も少なくありません。
そこで、より簡易で迅速に債権回収を進められる制度として利用されるのが、この「支払督促」です。実際に受付件数が民事訴訟に次いで多く、裁判所が書類審査だけで支払いを命じることができるため、債権者にとって扱いやすい手続きとして広く利用されています。
(2) 支払督促の特徴
支払督促は他の3つの手続きと比べても特に「簡易で迅速」という点で特徴的です。その特徴を整理すると次のとおりです。
② 裁判官ではなく「裁判所書記官」が書類審査で判断する
③ 相手(債務者)の言い分はこの段階では聞かれない
④ 異議がなければ、判決と同じ効力を持つ (= 強制執行が可能になる)
ただし、支払督促にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
以下では、支払督促の手続の流れを分かりやすく整理するとともに、実際に支払督促を受けた債務者(延滞者)が取りうる対処方法についても解説します。

●「支払督促」が選ばれやすい理由(メリット)
「支払督促」には貸主(債権者)にとって下記のメリットがあります。
申立書を提出するだけで手続きが進みます。債権者が裁判所へ行く必要はありません。
② 書類審査だけで督促状が発付される
債権者から提出された支払督促申立書の内容に基づき、書記官がその書類審査だけで「支払督促」を出します。証拠集めや相手の主張を聞く手続きはこの段階ではありません。
③ 手数料が民事訴訟の半額ですむ
裁判所に納める「支払督促」の手数料が民事訴訟の半分になる。例えば、100万円の支払いを求める民事訴訟の手数料は10,000円となるが「支払督促」では半分の5,000円になる。
④ 異議がなければ「債務名義」になる
申立人の「支払督促」の申し立て後に、更なる「仮執行宣言」の申し立てをして、相手方が支払いせずに異議も申し立てしなければ「仮執行宣言付支払督促」が発布され、それが「債務名義」になって、給与・預金などへの強制執行を仕掛けることができる。
このように「支払督促」手続きとは、相手方の言い分を考慮することはせず書類審査のみで迅速に債権回収の方向で解決が図る手続きです。
したがって、繰り返しになりますが、債権回収に関し普通の「民事訴訟」よりもずっと簡単で迅速にできる制度で非常に便利である、という理由で債権者から好意的に取り上げられているわけです。

●「支払督促」状が届くまでの流れ
支払督促は、いきなり裁判所から届くわけではありません。
一般的には次のような段階を踏んで進みます。
① 金融機関からの「督促状」
カードローンやクレジットの延滞が続くと、まずは金融機関から督促状が届きます。
この督促状は、本記事のメインテーマの裁判所からの「支払督促」状とは異なります。
↓
②「差押予告通知書」
督促状に対して返済がない状態が続くと「このまま支払わなければ差押えを行います」という内容の通知が届きます。法的効力はありませんが、事実上の“最後通告”となります。
※ここまでくると、差押さえ・強制執行を回避したいと本当に思っているのならば、躊躇している暇はありません。直ちに弁護士や司法書士といった専門家に相談すべきです。
↓
③ 簡易裁判所への「支払督促申立て」
それでも返済がなければ、所定の「支払督促申立書」に必要事項を記入して、延滞者の住所地の簡易裁判所に申し立てます。
↓
④ 裁判所から「支払督促」が届く
簡易裁判所の書記官は、提出された「支払督促申立書」の内容を審査し、理由があると判断されれば、延滞者の住所に「支払督促」状が送達する。これが裁判所から届く本記事のメインテーマとなります。
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支払督促の手続きは「2段階構造」になっていて進みます
● 支払督促
● 仮執行宣言付支払督促(延滞者から異議の申立てがなければ発付)
この2つがそろうと、債権者は強制執行を行えるようになります。
以上が大まかな基本構造です。これを念頭において下記に示す流れを注視してください。
●「支払督促」状が届いたそれ以降の流れ
そのためには、所定の「支払督促申立書」を作成し、延滞者の住所地の簡易裁判所に申立てます。簡易裁判所から「支払督促」状を受け取った延滞者は、その日から2週間以内に適切な対応が必要となります。 放置すると次の段階へ進みます。
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① 返済する行動
送られてきた「支払督促」状に対して延滞者が素直に金銭の支払いに応じた場合(一括返済が原則)は、一件落着ということで「支払督促」はその段階で終了となります。裁判所への報告はいりません。
② 異議を申し立てる行動
「払う理由がない」とか「金額が違う」など、支払督促に納得がいかず異議を申し立てたい場合は、裁判所に「支払督促異議申立書」を提出することができて、その後の手続きは、通常の民事訴訟手続きに移行されます。 まだ差押えはできません。
③ 2週間たっても何もせずに放置する行動
2週間経過すると、債権者である金融機関は次の段階(3)へ進みます(それは、延滞者の財産を差押えられる可能性が出てきます)。
※「支督促異議申立書」は「支払督促」状に同封されていますので、自分で用意してイチから作成する必要はありません。
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延滞者が何もしないで放置していると、債権者である金融機関は裁判所に債権回収手段に「強制力を付けてください」と申立てることができます。これが仮執行宣言申立書です。
申立人が「仮執行宣言」を申し立てるということは、申立人が強制執行を仕掛ける準備段階に入ったといって過言ではありません。
なお「仮執行宣言」の申立ては、延滞者が「支払督促」状を受け取った後2週間を経過した日から30日以内に申し立てなければ、最初の段階で発布された「支払督促」自体が失効してしまうので、もくのもくやみになってしまいます。
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簡易裁判所の書記官は、提出された「仮執行宣言申立書」の内容を審査し、その内容に理由があると判断されれば「仮執行宣言付支払督促」を発付し、延滞者の住所に送達されます。これは簡単に言うと「このまま払わないなら差押えできますよ」という最終段階の通知を意味します。この段階でも、延滞者は 2週間以内に異議申立てができます。異議申し立てると「民事訴訟」手続きに移行します。
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延滞者は、この段階でも2週間何もせずに放置していると、仮執行宣言付支払督促が確定し、それ自体「債務名義」になるので、裁判所は延滞者の財産に強制執行を仕掛けることができる。
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・銀行口座
・給与
・不動産
・車・貴金属などの動産
・売掛金
ここまでの流れを見ての通り、結局、簡易裁判所から延滞者への督促は「支払督促」と「仮執行宣言付支払督促」の合計2回行われます。それらに延滞者が返済も異議申し立てもしなければ、申立を行った債権者は債務名義として「仮執行宣言付支払督促」を取得することができるというわけです。よって、強制執行を仕掛けられるということです。

●「支払督促」のデメリット
支払督促は「早い・簡単・安い」債権回収手段ですが、使える場面はかなり限られています。
そのため、メリットばかりではなく、注意すべきデメリットも多く存在します。
(1)支払督促が使えるケースは限定的
支払督促の対象となる金額、支払時期、および契約自体の有効性などについて債権者(申立人)と延滞者の間で争いがない場合にしか有効に働きません。したがって、少しでも認識のズレがあると、延滞者は直ちに異議を申し立てやすく、結果として通常の民事訴訟に移行してしまい、迅速性が損なわれてしまいます。
(2)異議申し立てが起きると全てやり直し
支払督促は延滞者の言い分を聞かずに進むため、延滞者がわずかでも「納得できない」と感じれば異議を出しやすい手続きです。
異議が出た瞬間、支払督促は無効となり、民事訴訟に移行してしまい、これまでの手続きが丸ごと無駄になります。
(3)異議申し立ては簡単で理由も不要
裁判所から届く書類に書き方が丁寧に説明されており、理由がなくても提出できます。そのため、延滞者が「時間稼ぎ目的」で異議を出すこともあります。
(4)訴訟は延滞者の住所地で行う必要がある
通常の民事訴訟は原告の住所地で起こせますが、支払督促→異議申し立て後の訴訟は延滞者の住所地が裁判所になります。
債権者が遠方に住んでいる場合、裁判のたびに移動する負担が大きくなります。
(5) 相手の住所が分からないと使えない
支払督促は郵送で行うため、延滞者の住所が不明だと申し立てできません。
(6)まとめ:支払督促は「異議が出ない」場合にだけ有効
支払督促は、うまく進めば非常にスピーディーで便利な手続きです。しかし、延滞者が異議を申し立てる可能性が少しでもあるなら、支払督促は不向きです。
・延滞者が争う理由を持っている
・個人間の貸し借りで話が食い違っている
・延滞者が時間稼ぎをしそう
こうした場合は、最初から民事訴訟を選んだ方が効率的です。支払督促の利用件数より民事訴訟の方が多いのは、こうしたデメリットが影響していると考えられます。
また、異議申し立ては延滞者の権利として重要ですが、債権者にとっては非常に厄介な存在でもあります。

●では「支払督促」を受けた延滞者はどう対処したらいいか?
先に述べましたが「支払督促」を申し立ては、返済条件についてすでに確定的な合意がなされている金融機関、あるいは電話通信料の滞納のケースに利用されることがほとんどです。
支払督促を放置し、続いて届く「仮執行宣言付支払督促」まで無視し続けると、最終的には強制執行に進み、財産や銀行口座が差し押さえられることになります。無視することだけは絶対に避けてください。
(1)2週間以内に必ず行うべきこと
金融機関からの借金を延滞している場合、「支払督促」または「仮執行宣言付支払督促」が届いたら、到着から2週間以内に以下のいずれかを行う必要があります。
● 一括返済を行う(この段階では多くの場合、一括返済を求められます)
● 返済ができない場合は、異議申し立てをする
異議申し立てをするなら、できるだけ最初の「支払督促」の段階で行うのが安全です。「仮執行宣言付支払督促」でも可能ですが、その後すぐ強制執行に移行するため、タイミングが遅れると危険です。
(2)異議申し立て後に必要な対応<
ただし、異議申し立てをしただけでは問題は解決しません。異議を申し立てると手続きは「民事訴訟」に移行しますが、金融機関からの借金について訴訟で勝てる可能性はほぼありません。
そのため、異議申し立て後は分割払いや減額に向けた交渉、または債務整理の手続きを進める必要があります。
(3)債務整理という選択肢<
債務整理には以下の方法があります。
● 任意整理
● 個人再生
● 自己破産
債務整理に関する交渉や書類作成には専門的な知識が必要です。経験豊富な司法書士や弁護士に依頼することが望ましいです。
(4)強制執行を避けるための重要な3つの段階<
延滞者が無視してはいけない節目は次の3つです。
1.差押予告通知書が届いた段階
2.支払督促状が届いた段階
3.仮執行宣言付支払督促状が届いた段階
これらのどの段階でも、放置すれば強制執行に進む可能性が高まります。早期の対応が何より重要です。
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