なぜ、借金問題を解決するには「早期相談(延滞前の相談)」が重要なのか?

●「早期相談(延滞前相談)」とは?
(1) 早期相談(延滞前相談)を勧める判断基準
(2) 早期相談(延滞前相談)するメリット
① 早期相談(延滞前相談)により遅延損害金の発生を阻止
② 早期相談(延滞前相談)により有異議な交渉環境を確保
③ 早期相談(延滞前相談)により選択できる解決策が最大化
(3) 延滞前の相談で信用情報は守られるのか?~リスケと任意整理の違い~
① 延滞前のリスケは信用情報に事故情報がつかない理由
② 延滞前に任意整理したら信用情報に事故情報(社会的ブラック)がつくのか?
③ 任意整理は延滞前と延滞後で信用情報への影響に違いがあるのか?
● それでも延滞前に相談することがベストだと言われている本当の理由とは?
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■ なぜ借金問題は「早期相談(延滞前相談)」が重要なのか(結論)
借金問題を抱えている多くの人は「まだ返せているから大丈夫」「今月さえ乗り切れば何とかなる」と自分に言い聞かせ、相談を先延ばしにしてしまいます。
しかし、借金問題は“時間が解決してくれる”ことはありません。むしろ、放置すれば静かに、しかし確実に悪化していきます。
返済が滞れば督促が強まり、やがて裁判所を通じた手続きにいき、その段階になると、給料や預金の差し押さえという生活に直結する深刻な事態に発展します。
本来であれば、もっと早い段階であれば、生活を守りながら選べる解決策は複数ありました。しかし、相談が遅れるほど選択肢は狭まり、最終的には「自己破産しか残らない」という状況に追い込まれます。その自己破産でさえ申し立てのタイミングが重要です。
そして重要なのは、“早期相談=すぐ債務整理(任意整理がメイン)をしなければならない”という意味ではないということです。延滞前の相談だからこそ、リスケ(条件変更)など、債務整理
に至らない予防策を取れる可能性が高いのです。
早期相談は逃げではありません。これ以上状況を悪化させないための、最も現実的で前向きな行動です。
「相談の早さ=解決のしやすさ」
借金問題は、早く動いた人ほど、より良い結果を手に入れることができます。
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●「早期相談(延滞前相談)」とは?
早期相談とは、債務の返済が延滞する前、つまり約定どおりの返済がまだ守られ続いている段階で行う任意整理の相談を意味します。「苦しくなった、なっていない」にかかわらず、延滞が起きる前に、専門家である司法書士・弁護士に相談して判断を請うことです。
もっとも、延滞後の任意整理の相談がもはや早期相談ではないといっているわけではなく、一般的には「返済が苦しくなり始めた段階」や「延滞直後」でも“早期相談”と呼ばれることがあります。しかし、任意整理の実務で最も効果が高いのは、延滞前の相談といわれています。
「早期相談」とは、返済がまだ延滞していない段階で行う相談のことです。
つまり、約定どおりの返済が続いているうちに、司法書士や弁護士といった専門家に状況を伝え、今後の方針について判断を仰ぐことを指します。
「返済が苦しくなった」「まだ大丈夫かもしれない」、こうした感覚に関係なく、延滞が起きる前に相談することが“早期相談”の本質です。
もちろん、延滞後の相談が早期相談ではない、という意味ではありません。実務では「返済が苦しくなり始めた段階」や「延滞直後」でも“早期相談”と呼ばれることがあります。しかし、任意整理を含む債務整理の実務で最も効果が高いのは、延滞前の相談です。延滞前であれば、選べる選択肢が多く、交渉環境も良く、信用情報への影響も最小限に抑えられる可能性が高いからです。
(1) 早期相談(延滞前相談)を勧める判断基準
結論から言うと「自分の感覚(主観)」ではなく、客観的な“数値と兆候”がそろった時点が早期相談の決断ラインになります。
① 毎月の返済が「将来を食いつぶすことで」成り立っている。
・収入だけでなく貯金をも取り崩し続けて返済している。
・一時的な借り入れで返済を続けている。
⇒ これらは、今は延滞していなくても、構造的に破綻予備軍といえます。
② 返済額が「可処分所得」を圧迫している。
・返済に充てる金額が、手取り収入額の20~30%を超えている。
・返済を続けていくには、どうしても生活費を削らないといけない。
⇒ 何か突発的な出費があれば、一気に延滞につながる可能性がある。
③ 利息を払っている感覚が強く、元金が減らない。
・何年返しても残高があまり減らない。
・返済額の大半が利息に消えている。
⇒ その返済計画そのもが破綻している証拠といえる。
④「いつまでに完済できるか」を説明できない
・このままの返済を続けたらいつ完済できるの?
・回答:答えられない。「だいぶ先じゃないかなぁー?」とはっきり答えない。
⇒ そもそもしっかりとした返済計画がないということ。
⑤ 最悪ケースを想定すると、その先に延滞が見える。
・もし、収入が1~2割減ったら果たして返済を続けられるか自信がない。
・もし、病気入院・失業したら返済が見えない。
⇒ もし、そうなったら無理だと思ったら、それは相談すべきタイミングです。
(2) 早期相談(延滞前相談)するメリット
① 早期相談(延滞前相談)により遅延損害金の発生を防げる
借金問題でまず避けたいのは、延滞にともなう遅延損害金の発生です。延滞に入ると通常の利息(経過利息)からより金利の高い「遅延損害金」に切り替わります。
「遅延損害金」は利息とは違って「ペナルティ・制裁金」であり、ひとたび踏み入れば、返済負担のハードルは一気に跳ね上がり、放置すると借金が雪だるま式に増える最大の原因となります。それを防ぐには、延滞前に相談することが必要であり、それで「遅延損害金」への切り替えを未然に防ぐことができます。
② 早期相談(延滞前相談)は交渉環境が圧倒的に有利
・延滞をせずに約束どおり返済し続けていく人に対しては、債権者の信頼度も高く柔軟な態度で対応してくれる可能性がでてくる。
・その結果、将来利息のカットや返済期間の調整などの様々な条件変更が整い易くなります。
・資料収集や心構えなどの準備ができているはずだから、交渉期間が短縮される傾向にある。
③ 早期相談(延滞前相談)により選択できる解決策が最大化
延滞前であればこそ、解決策は任意整理といったメインの手続だけでなく、借金のあくまで一時的に減額するという返済条件を見直す(リスケジュール⇒略リスケ)の存在も無視できません。延滞前であればその時々の状況に応じた幅広い選択肢から検討することができてその中から良いと思われる手段を選択できる機会を得られます。
任意整理 → 個人再生 → 自己破産と順に進むほど、確かに借金の減額効果は強くなりますが、それに応じてマイナス面での手続きの負担度や生活への影響も大きくなるという面があります。
この中で「任意整理」は、裁判所の介入をゆるさず、資金業者との交渉で済ませて、生活への影響が少ない最も利用者が多い手続きですが、早期の相談を逸していくと、どんどん状況が悪化して「任意整理はもう無理・・・」⇒「個人再生も条件を満たさない・・・」⇒「もはや自己破産しか残っていない・・・」というように選択できる解決策が徐々に狭まっていくのです。
ところで、延滞前の早期相談で示される債務整理は「任意整理」がほとんどだといわれています。理由は、早期相談した時の借金状況は、一般的に下記の4つの状況にある借金が多いといわれてるからです。その状況を解決しやすい債務整理が「任意整理」がほとんどだからです。
・借金の総額が多くて300万円程度。
・一応安定した収入があるけれど、今の返済額で完済まで行けるか不安。
・毎月の返済額から利息分だけでも減額されれば、3年~5年で完済できる。
・住宅ローンなどの特殊事情がない
借金の整理は、いろんな点で他への影響が少ない任意整理でもって終結するに越したことはありません。早期相談の時期を逃して、延滞が始まってしまうと、それが初期延滞の直後ならまだしも、そのまま放置していくと、借金の整理には「個人再生」最後には「自己破産」への道に進まざるを得なくなり、他への影響を大きくなります。
ただ、延滞前であっても最初から「個人再生」や「自己破産」を考えざるを得ないケースもあり得ます。延滞の有無は、一つの判断材料に過ぎず、それよりもその時の収入・支出のバランス、借金総額、返済可能性などで決まるからです。
(3) 延滞前の相談で信用情報は守られるのか?~リスケと任意整理の違い~
① 延滞前のリスケは信用情報に事故情報がつかない理由
延滞前のリスケは基本的に事故情報(社会的ブラック)にはなりません。リスケは金融機関との合意で返済計画や条件の変更であり、それが延滞前にリスケの合意がなされていれば、約束を破っているという事実は生じないから「事故」に当たらないのです。したがって、延滞前にリスケ相談を行うことは、信用情報へのダメージを避ける最も有効な方法となります。
ただし、完全真っ白な無キズというわけではありません。事故情報(社会的ブラック)ではないけれど、リスケの申し出を受けた金融機関内部では注意情報(返済能力に不安定さを感じるという情報)として扱われることになり、同じ金融機関内での新規借入や増枠が慎重に扱われる可能性はあります(社内ブラックという)。
そもそも、リスケとは条件の一部変更はあるとしても当初の契約した返済金額の総額には変更はなく、最終的には全額を自力で返済を続けるので、金融機関には損失はありません。したがって、リスケ相談者には信用情報に重いダメージを与えることにはありません。でも、この扱いには理不尽さを感じるとの意見もあります(下記参照).
• 取引(口座の利用、振込・入金、担当者とのコミュニケーション)は基本的には継続される。但し、追加借り入れや増枠は別扱い。
• 返済条件を変更した記録が残る。これは、当該金融機関内部の信用区分に影響します。但し外部には公開されることはない。
• 基本は追加借入はできないが、絶対できないではなく、例外的に慎重に扱われて実行されるケースはある。
• 増枠はほぼ不可能といえるが、例外的に慎重に扱われながら実行されるケースはある。
• カード更新が拒否されることがある。但し、必ず拒否されるわけではなく、カード会社・利用状況・信用情報の状態によって結果は分かれる。
• 金融機関の内部情報がグループ内で共有されるためグループ会社の審査も厳しくなる。
• 大型ローン(住宅・自動車)が通りにくくなる
リスケは借金を減額する手続きではありません。返済が苦しい時期だけ条件を調整してもらい、最終的には当初の契約どおり全額を返済するので、金融機関は損をしていません。
それなのに、追加借入が難しくなったり、カード更新が慎重になったりと、いくつかの社内制約を設けています。人として見れば「誠実に相談しただけなのに、なぜ?」と感じるのは当然です。
しかし金融機関の判断基準は、人の気持ちではなく“将来のリスク”の有無です。当初の返済計画を維持できなかったという事実だけをみて機械的にマイナスに評価する仕組みになっているのが原因です。
但し、リスケは任意整理や延滞(特に長期延滞)とは違って信用情報にはキズつかず社会的な信用は守られます。この点がリスケを望む人にとって大きな救いといわれています。
そして、リスケは当該金融機関内部の事情であり、延滞前のリスケを事故情報として信用情報機関に登録しません。だから、他の金融機関はリスケしたという事実を知りません。だから、他社から見れば完全真っ白な無キズですから、他社の審査には全く影響しないということになります。
② 延滞前に任意整理したら信用情報に事故情報(社会的ブラック)がつくのか?
結論からいえば、延滞前といえども任意整理すれば信用情報に事故情報(社会的ブラック)がつきます。
延滞はしていないので「延滞(延滞が61日以上または3ヶ月以上の場合)による事故情報」はつきませんが、任意整理はしたので「任意整理による事故情報(社会的ブラック)」はつきます。この事故情報は「延滞による事故情報」とは別の発生原因となりますが、内容はほぼ同じです。
事故情報がつく理由は、任意整理は正式な債務整理手続の一つであり、リスケとは違って任意整理をすると金融機関は必ず損失を出す仕組みになっています。したがって、任意整理をするということは、当初の返済計画を継続できなかったという事実が間違いなくあって、将来の返済リスクも決して低くはないと判断される傾向にあります。よって、任意整理は、延滞の前であっても信用情報機関には事故情報(社会的ブラック)が登録されるとすでに定められているのです。➡まとめ下記参照。
①契約時の返済計画通りに進まなかった事実があり、そのことでもはや社会的ブラックにとなる。
②任意整理をするということは「金融機関が損を金融機関は黙ってられない。
③信用情報機関は「任意整理を含む債務整理をした場合は事故情報(社会的ブラックになる」ということを決めている。