債務整理後に必要な金融リテラシー ~借金を繰り返さない5つの習慣~
■金融リテラシーとは?
■借金を繰り返さないための5つのポイント
(1) 収入と支出の「見える化」
(2) 「欲しい」と「必要」を切り分ける
(3) 「緊急用の貯金」を必ず持つ
(4) 金利の怖さを知る
(5) 「未来のお金」を設計する
■借金の「悪循環」と「好循環」
■まとめ|安心して再スタートするために
■ 借金を繰り返してしまう理由とは?術
「返しても返してもまた借金してしまう…」という人の多くは、お金の使い方や考え方(=金融リテラシー)を学ぶ機会がなかったことが原因です。
借金は一時的に「お金が手に入る安心感」を与えますが、根本の金銭管理が改善されなければ再び同じサイクルに陥ります。
そこで、債務整理後、また借金に振り回されることなく安定した生活をおくるために知っておくべき「金融リテラシー」のポイントについて説明します。
■ 金融リテラシーとは?
金融リテラシーとは、「お金を上手に使い、守り、増やすための知識と判断力」のことです。
つまり、借金を避けるための“お金の地図”のようなものであり、知らないままでは迷いやすく、知るだけで行動が変わります。
なにも難しい経済用語を覚える必要はありません。
まずは「収入と支出のバランス」「貯金の習慣」「借金との付き合い方」など、日常生活に直結する部分から理解していくことが大切です。
■ 借金を繰り返さないための5つのポイント
(1) 収入と支出の「見える化」
まず最初にやるべきは、毎月の収入・支出を記録すること。
記録の仕方は、家計簿アプリやメモ帳でも構いません。なにも1円単位の家計簿である必要はありません。
「どこにいくら使っているか」が見えるだけで、ムダづかいが減ります。
まずは、現状を知るために
・毎月の手取り収入
・固定費(家賃・保険料・通信費など)を把握して
・変動費(食費・娯楽費・日用品など)を分類して
書き出して記録しましょう。これだけでも「何に使いすぎているか」が分かり、改善のきっかけになります。
(2) 「欲しい」と「必要」を切り分ける
支出の大半は「つい買ってしまったもの」です。買う前に、次の3つの質問を自問してください。
・今すぐ必要?(今買わなくても困らないなら保留)
・代わりのもので代用できる?
・借金してまで買う価値がある?
たった数秒の“立ち止まり”が、借金防止の第一歩です。
(3) 「緊急用の貯金」を必ず持つ
病気・事故・失業など、不測の出費は誰にでもあります。
これを借金で乗り切るか、貯金で乗り切るかで大きな差が出ます。
・目安:生活費の3〜6か月分
・方法:給料日に自動的に積み立て(先取り貯金)
「残ったら貯める」ではなく「先に貯めて残りで暮らす」を習慣づける。
※給料をもらってから、家賃・食費・娯楽・日用品などを全部使った後に「残った分を貯金しよう」と気構えだと、実際は残らないのが現実です。
「先に貯める」とは、たとえば月収30万円なら給料日に3万円を貯金口座へ移し、残りで生活する習慣です。銀行の自動積立サービスを使えば、確実に貯まります。
(4) 金利の怖さを知る
金融リテラシーで最も重要な知識が金利(利息)です。
年18%の利息で10万円を借りたら、1年後には1万8,000円の利息が発生。
返済が遅れればさらに「遅延損害金」まで上乗せされます。
借金は「借りるたびにお金が増える」のではなく「返すたびに損をする」仕組みです。
※お金を借りると一見自由に使えるお金が増えるから、よいことだと感じてしまうかもしれませんが、それは自分の資産が増えたのではなく、他人のお金を一時的に借りたにすぎません。マイナス資産が増えたということです。しかも、借金の特徴は「利息」が発生することです。そして、借りている間は時間とともに支払が増えていくという仕組みです。したがって、先に述べましたが10万円借りたら1年後に返済するときも10万円だけ返済すればいいというわけではなく、1万8000円余分に支払わなければならないのです。この余分な支払いが「返すたびに損をする」という意味です。
(5) 「未来のお金」を設計する
借金体質を抜け出す最大の鍵は、「将来への見通し」です。
1年後・3年後・5年後を見据えた「マネープラン」を立てておきましょう。
・収入:どうやって安定させるか
・支出:どこを削減できるか
・貯蓄:何の目的でいくら貯めるか
・目標:マイホーム・老後・趣味など
書き出すだけで「今やるべきこと」が見えてきます。
■ 借金の「悪循環」と「好循環」
状況 | 悪循環パターン | 好循環パターン |
---|---|---|
支出 | 感情で買う | 計画的に使う |
借金 | その場しのぎ | 必要性を判断 |
金利 | 無視、あまり気にしない | 理解してできるだけ避ける |
貯蓄 | 余ったら | 先に確保 |
思考 | 今だけ | 将来も見据える |