住宅ローンの返済が苦しいときはまず銀行にリスケジュール(リスケ)を相談する
2020/10/06
(2)リスケを申し出る時期
(3)リスケが認められるための条件
① 返済期間の延長を認めるリスケの場合
② 一時的に返済猶予を認めるリスケの場合
(4)まとめ
(5)借金問題の無料相談・診断
・【 住宅ローン相談センター 】
(1)リスケジュール(リスケ)とは?
もちろん、銀行と住宅ローンを組んだ時点では、ローン審査も通っているわけだから、その条件で返済を進めていっても問題はないということになります。
でも、その後、様々な事態が生じて、図らずも家計の収支のバランスがくずれてしまい、それが住宅ローンの返済に直接、間接に影響を与え、計画に沿ったローン返済が難しい状況になることはよくあることです。
給与額やボーナスのカット、またリストラ等で収入額が減少してしまった場合、あるいは家族の病気や子供の成長などなどで、支出の方が多くなってしまった場合、そういった事情で収支のバランスが崩れてしまうということは実際によくありますよね。
(もし、両方となるともはや最悪の結果ですが・・・・)
そんな事情で、住宅ローンの返済が困難になったときは、現状の認識と今後を見据えて銀行へ返済計画の変更の相談に行くことをお勧めします。
相談を受けた銀行は、今後も住宅ローンを何とか維持継続できるようにリスケジュール(リスケ)に応じてくれることがあります。
リスケジュール(リスケ)とは、返済計画の見直しをいいます。
リスケには概して①返済期間の延長 ②一時的な返済猶予の二つの方法があります。
例えば、①の例では、25年ローンで残り期間が15年のときに10年延長してもらうとか、②の例では、半年なら半年、1年なら1年と期間を決めて、その間の返済金額を一時猶予(後に返済時期をズラす)してもらうとか、そういうことで月々の負担を減らしてもらうのです。
リスケが上手くいけば住宅を手放すことなく以後も住み続けられるのです。
ちなみに、返済できない分を住宅ローンよりも何倍も金利が高いカードローンや消費者金融等々から新規に借金をして穴埋めするのは避けるべきです。そんなことをしているとやがて行き詰るのは目に見えています。
(2)リスケを申し出る時期
リスケをお願いするタイミングは、リスケとは相手がいる交渉事なので信頼関係を維持するためにも、実際に返済が遅延してしまう前にお願いするのがいいです。
もちろん、返済が遅延してしまったけどまだ日が浅い場合は、まずは遅延した金額を一括返済したうえで、リスケのお願いはできます。でも交渉を成立させるハードルは幾分高くなるかもしれません。
一番理想的なのは、リスケを受け入れる際の審査に2~3週間はかかるので、リスケを希望する返済日の遅くとも一か月前に相談するのがいいでしょう。
(3)リスケが認められるための条件
もちろん、リスケをお願いする場合は、当初の合意事項を変更するわけですから、それを申し出る際には銀行が納得できる正当な理由がなければなりません。
そうでなければ到底リスケは認めてくれません。
その正当な理由があると銀行に説明するには、原則として下記の項目の情報が必要とされます。
●「リスケで希望する条件(期間延長か、一時的な返済猶予か、返済額は)」
●「今現在の資金繰り表、少し詳し目な家計簿など」
●「リスケ後の資金繰り見込み」
●「他に借金があればその一覧表」
●「確定申告書、源泉徴収票」
基本的には、これらに関する資料提出が要求され、それらが審査の対象となってリスケが可能かどうか判断されるのです。
①返済期間の延長を認めるリスケの場合
返済期間の延長は、審査を経て、銀行にそれを求める正当の理由があることを認めさせれば、返済期間延長のリスケは認められます。
その際、銀行側が最も関心があるのは、当初結んだ返済期間では返済の継続が難しいのを、返済期間の延長を認めさえすれば本当に遅滞なく返済の継続ができるようになるのか?というその一点に関心があるといっても過言ではありません。
だから、銀行に返済期間の延長を認めてもらうためには、複数回にわたって銀行との交渉を積み重ねていき、現状のままでは早晩に返済が難しくなること、それを〇〇年間の延長を認めてくれさえすれば最後まできちんと完済できること、そしてそれを実現させる強い意思も備えていることを誠心誠意説明してリスケを勝ち取らなければならないわけです。
それが示されないときは、リスケは認められないでしょう。
なお、延長できる期間というのは、一般的には住宅ローンの最長期間は35年となっているので、全体で35年を越えない範囲で延長期間を想定しなければなりません。
だから、25年で住宅ローンを組んでいたら、5~10年の範囲で延長ができるし、30年で住宅ローンを組んでいたら、5年の範囲で延長することができるのです。
例えば、当初25年で住宅ローンを組んでいて、一生懸命遅延なく10年間返済し続けた(残り15年)けれど、給与額が下がってしまいこのままでは明らかに返済が難しくなってしまう。だから、残りの期間(15年)に5年から10年延長加算のリスケを申し出て、残りを20年または25年にしてもらうことができるということです。
ただ、その際に忘れてはいけないのが、ローン完済時の年齢がいくつになるかが大きく関わってきます。
契約書に完済時年齢が75歳までと定められているならば、いくら期間に余裕があっても75歳を超えてしまうのなら延長は認められません。
先の25年の住宅ローンの例でいうと、10年間返済し続けてきた時点(残り15年)で、期間延長のリスケを申し出た時の年齢が55歳だった場合は、10年延長加算を認めてしまうと、残りの期間は15年から25年になってしまうので、完済時には80歳になってしまいます。
だから、この場合は10年延長は認められず、5年延長が限度ということになるのです。
「フラット35」とは、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している長期固定金利住宅ローンことです。
この住宅ローンは、通常の民間銀行のモノと違って、契約当初に定めた契約期間にかかわらず、最長15年の延長が可能となります。
例えば、当初30年間で契約していても、最長15年の延長が可能で合計45年とすることができます。ただ、完済時の年齢は80歳と決められているので、ある程度若い人が対象となります。
〇35年内での期間延長のリスケを希望する場合
例えば「フラット35」で25年ローンを契約していた場合で、期間延長の正当な理由が認められれば10年以内を限度に延長リスケが認められます。この場合は通常の住宅ローンのリスケと大して変りはありません。
〇35年を超えて期間延長のリスケを希望する場合
「フラット35」は35年を超えて期間延長を希望することができます。その場合は明確に決まった条件があって、下記の一定条件のいずれかに該当する場合には35年を超えて期間延長のリスケが認められます。
●年収が住宅金融支援機構への年間返済額の4倍以下の方
●月収が世帯人員×64000円以下の方
●住宅ローンの年間返済総額の年収に対する下記の割合(返済負担率)の方
一般の民間銀行の住宅ローンのリスケは、上記のような明確に決まった条件はありません。何回かの交渉を経てリスケ条件を煮詰めていくやり方ということです。
~返済期間延長のリスケでの注意点~
1. 返済期間の延長のリスケが認められたからと言っても、返済額自体が減るわけではない。
2. 返済期間が延びることで月々の返済額は減りますが、延長された分利息の支払いが多くなるので、トータルの返済金額が増える。
3. 住宅ローンに優遇金利が付いていたら、それを失う可能性がある。
4. 住宅ローンの金利が変動制の場合、金利が引き上げられることがある。
5. 返済金額に滞納分がある場合は、その分を一括返済しない限りリスケは応じてもらえない。
6. リスケの際も当然審査が必要なので審査に通らなかったらリスケは認められない。
なお、数か月に渡って(三か月以上)ローン返済を遅延した場合は、個人信用情報にキズ(事故情報として載る)がつくことがありますが、リスケの場合はそんなことにはなりません。リスケは返済金額が減額される「個人再生」とか「任意整理」といった債務整理とは違います。
②一時的に返済猶予を認めるリスケの場合
一時的な返済猶予の場合も、返済期間延長と同じで、審査を経て、銀行にそれを申し出る正当の理由があることを認めさせれば、一時的な返済猶予のリスケは認められます。
リスケで一時的に返済を猶予してもらえる期間は、あくまで応急措置であるため、一辺に2年も3年も猶予期間をもらえるわけではありません。通常は6ヶ月又は1年です。もし1年を超える猶予期間を希望する場合は、まずは6ヶ月又は1年のリスケ期間を経た後に、再度リスケするということで期間を延ばします。
●急な出費が重なり、一時的に資金繰りが苦しくなっているが、この場を切り抜ければ何とか元に戻る見込みがある。
●病気にかかってしまい、長期療養を余議なくされているが、退院後は仕事に復帰できる段取りができている。
●勤務先が倒産したため再就職先を探しているが、自分の能力・スキルをアピールすれば必ず再就職できる見込みがある。
この場合も、先に述べた期間延長のリスケと同じで、銀行の一番の関心事は、示された正当な理由の中に一時的な返済猶予期間を過ぎた後の返済につき、きちんと継続して返済していけるという納得できる見通しが誠心誠意示されているかどうかにかかっています。
もし、リスケ後も資金繰りの改善の見通しが示されないとか、一応示されてはいるが銀行側が納得いかない場合は、この形態のリスケは認められないことになります。
リスケ期間中の返済額の目安は「利息+元金ちょっと」です。カッチリとした決まりはありませんが、最低限、利息は支払うことになることが多いです。例えば、月々12万円(そのうち金利分が2万円)の返済額が、一時的な猶予期間のリスケで月々の返済額を4万円(そのうち金利分が2万円)に減額するといった感じです。
「フラット35」の場合も、銀行側が納得する正当な理由で一時的な返済猶予期間をの申し出が示されていたら、一定期間猶予のリスケが認められます。
それとは別に「フラット35」は、下記の一定条件のいずれかを備えれば3年間という長期の返済猶予期間が認められるところに特徴があります。
●年収が住宅金融支援機構への年間返済額の4倍以下の方
●月収が世帯人員×64000円以下の方
●収入減収の割合が20%以上の方(前々年の収入額と前年の収入額を比較し算出)、失業中の方
●住宅ローンの年間返済総額の年収に対する下記の割合(返済負担率)の方
~一時的に返済猶予のリスケでの注意点~
一時的な返済猶予はあくまで一時的猶予を与えるに過ぎないので、そこには期間の延長という要素は入ってきません。だから、返済完了時期は当初の契約どおりで終わるので、リスケ後の返済金額はリスケ前の返済金額よりもグッと増えることになります。ただ、返済期間は当初の契約と変らないので、トータルの返済金額がかわりません。
もちろん、返済期間の延長とのセットでリスケを申し出ることはできます。その場合はリスケを認められるハードルは高くなります。
(4)まとめ
収入の減少とかで、住宅ローンの返済が苦しくなって、このままでは返済できない状態になることが目に見えている場合、今現在はローン返済に、あるいはその他の借金の返済に遅延がない場合は、まず融資先の銀行にリスケを申し出るのは一つの方法といえます。
それが返済期間の延長を申し出るのか?それとも一時的な返済猶予を申し出るのか?あるいはボーナス払いを止めるのか?色々とリスケの手段は考えられますが、確かにリスケをすることによって一時的に資金繰りは楽になります。
でも、リスケというものは一時的に返済方法が緩やかになるに過ぎず、元の住宅ローン自体が減額になるなど、そういった意味での効果があるわけではありません。それどころか一時的にせよ減額された分は、当然のことながらしわ寄せとなって後から一気に自らにのしかかってくるのです。
だから、生半可な気持ちで、単なる願望、見栄でやってしまうと、仮に運よく審査に通ったとしても、そんなリスケは一定期間無理に頑張ってみても結局は破たんしかねないのです。
結局は、リスケ以外の方法(自宅の売却をも含めて)で事に当たれば、時間、労力、費用の面で少なくて済んだということにもなるのです。
要するに、リスケとは必ず収支のバランスが崩れてローン返済が難しくなったことを前提にしているわけで、そういったなかちゃんと最後まで返済し終えることができるか、ということを主眼においてそのことを真剣に考えなければならないのです。
だから、リスケを申し出るか否かは、今の住宅ローンの内容を含めた今ある現状の認識と今後の見通し、つまりこれからの収入と支出がどうなるのか、どのように変化していくのかを冷静に分析して決める必要があります。
■借金問題・無料法律相談のご案内
日本法規情報-債務整理相談サポート-
● 申込みはオンラインで24時間365日可能。複数の事務所を案内
● 登録された全国の法律事務所の中からあなたに合った事務所を案内
● 相談相手の専門家をなかなか決められない人には欠かせないツール
もう少し具体的に言うと、借金問題といってもその有り様は千差万別です。当然に解決へのプロセス及び解決の方法も異なってきます。そういったなか、専門家であっても分野によっては得手不得手があります。だから、この制度は依頼人の希望に十分に応えるために、それに適した専門家を選んで専門家と依頼人を結ぶつけるサービスを行っているのです。そして、一件の依頼につき複数の法律事務所をご案内します。
したがって、初めての方がなんのツテもなく依頼人の希望に沿った事務所を探すのは結構大変なことだし、さらにまだまだ一般人にとっては弁護士事務所の敷居はまだまだ高くて最初から弁護士と相対することになると、緊張して自らの借金問題について正確に伝えられない恐れもあります。だからこそ、依頼人と専門家との間の橋渡しの役割を果たす「日本法規情報」のような存在が重宝されるのです。そして、現在では毎月3000人もの相談者がこの無料相談ツールを利用しています。
「債務整理相談サポート」の申し込みは、オンライン上で24時間どこにいても1分程度で必要項目を入力ができ申し込みが完了します。その後にその入力内容に沿った複数の事務所が案内されます。その手順は基本的には下記の(1)~(6)の順で進みます。依頼人が各々事務所に出向きそれぞれの専門家と面談して、事務所によって濃淡はありますが、依頼人にとって関心事である「あなたに合った借金を減らす方法はあるのか?それは何か?」と「おおよそどのくらい借金が減額されるのか?あるいは全額免責可能なのか?」「どうやってリスクを回避するか?」等々が回答されるので(ここまでが無料)、後はどの法律事務所にそれを実現するための債務整理手続きを依頼するかを依頼人自身が判断して決めることになります。
(1)オンライン上のお問い合わせフォームに必要項目に入力して申込する。
(2)相談パートナーより申込日より3営業日以内に電話またはメールにて相談内容の確認と専門家の希望条件をお尋ねします。。
(3)依頼人の要望する条件に合った事務所を複数案内します(平均3~5事務所)。
(4)電話かメールで案内された事務所とやり取りして無料相談の日程を調整する。
(5)依頼人の方から直接事務所に出向いて無料相談を受ける(案内されたすべての法律事務所と無料相談可能)。
(6)無料相談を受けた複数の法律事務所の中から実際に債務整理手続きをお願いする事務所を決めたらをその事務所に依頼する。なお、必ずしも具体的な債務整理手続きを依頼することなく無料相談で終わってもかまいかせん。