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「個人再生」と「自己破産」を比べてみて「個人再生」を採るメリットはどこにありますか?
2023/04/27
■ 個人再生のメリット(自己破産との対比のなかで)
「個人再生」とは、まず、借金が支払不能に陥る恐れのある債務者が、最低限支払わなければならない借金(平均5分の1 最大10分の1に減額された借金)を分割で原則3年、最大5年の期間で返済する「計画(再生計画)」を立てます。
そして、裁判所がその「再生計画」を認める決定(認可決定)をして、その後はきちんとその再生計画に従った返済を続け完済し終われば、残る借金(5分の4 or 10分の9)は返済を免除してもらえる債務整理手続です (但し「清算価値保障の原則」に注意)。
任意整理とは違って、自己破産と個人再生は借金問題に関係する全ての利害関係人を裁判上に登場させて、借金問題を公平・平等、かつ包括的に解決する手続という点(債権者平等の原則の適用)で共通性をもちますが、両者を比べてみて大きく異なる主要な点は以下の通りです。
手続きの開始原因 | 支払不能のおそれ | 支払不能の確定 (支払停止からの支払不能の推定あり) |
借金は全額免除になるか? | 借金は大幅に減額になるが全額免除には絶対にならない(1/5~1/10に減額される。但し、清算価値保障の原則に注意)。 | 借金は全額免除になるのが原則 |
財産は処分されるか? | 住宅は「住宅ローン特則」で一定の条件をもとに居住を続けられる。その他の財産も処分されずにそのまま手元に置くことができる。但し手元に置くとしても「清算価値保障の原則」を満たす最低弁済額を支払う必要がある。 | 大きな財産(20万円を超える財産、99万円を超える現金)は処分される |
債務整理の不許可事由はあるか? | 個人再生の手段をもって債務整理せざるを得なくなった借金の原因はどのようなものであろうと不問 | 借金の原因が専ら賭博、ギャンブル、浪費といってもいい遊興費であった場合は免責不許可となりうる |
一定の資格や職業は制限はあるか? | そのような制限はない | 手続途中は弁護士、司法書士、その他一定の資格、または警備員、質屋、古物商などの職業遂行に制限がつけられる |
「支払不能」と「支払不能のおそれ」との区別は非常に微妙で難しい。したがって「支払停止」があれば「支払不能」が推定される。詳しくは下記の関連記事を参照してください。