「任意整理」しないほうがいい借金・債務とは?そもそも「任意整理」出来ない借金・債務とは?
2024/12/18
■ 「任意整理」による解決が適さない借金・債務のケース
(1) 借金が多額のため利息分のカットだけでは3~5年での完済が困難な場合
(2)「任意整理」で得られる利益(利息や遅延損害金のカット)より弁護士等への費用の方が高くつく場合
(3) 利害関係をもつ債権者が複数いる場合(多重債務)
(4) 毎月の返済ができる程度の安定収入がない場合
(5) 制度上or性質上「任意整理」できない債務の場合
(6) その他「任意整理」が認められそうにない債務
① 一回も返済していない債務
② 再度の「任意整理」を求める債務
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■「任意整理」とは?
「任意整理」とは、裁判所が関与することなく債権者と債務者間の私的交渉(話し合い)を通じて、その交渉結果に両当事者が合意することで債務者の借金支払いの負担が軽減され、それを3~5年の期間で完済を目指す手続です。
シンプルで柔軟性があって短期間で決着しやすいので最も多く利用されている債務整理手続ですが、いくら話し合いを尽くしても合意に至らなかったら「任意整理」は成立せず出来ないことになります。
ところで「任意整理」は、裁判所が関与が必須となる「個人再生」や「自己破産」とは異なります。
それから「任意整理」での減額対象は、基本的に「将来利息」と「経過利息・遅延損害金」といった利息のみであり、元本の減額が認められることはほとんどありません。そのため、元本の減額・免除ができる「個人再生」や「自己破産」よりも減額効果は劣ります。
■「任意整理」による解決が適さない借金・債務のケース
三つの「任意整理」「個人再生」「自己破産」のどれを採用するかは、基本的には弁護士や司法書士といった専門家に相談して決めるの最も良き方法です。
その判断は借金の金額の大小はもちろんですが、債務者の収入能力、その他置かれている状況、その借金問題に利害関係を有する人数や利害の関わり方を考慮しながら、依頼人である債務者の状況に合った適切な方法を選択していきます。
そのなかで「任意整理」は、前述したように、その手軽性のゆえに最も多く利用されている債務整理手続です。
ただ、そうとはいっても、利用できるけれどもしない方がいいケース、あるいはそもそも利用ができないケースがあります。
「任意整理」は、当事者間の私的な解決手段なので、複数の金銭の貸し借り関係があっても「任意整理」をする債権者を選ぶことが出来ます。債権者Aとは「任意整理」した方がいいけど、債権者Bとはしない方がいいと判断して債権者を選ぶことができます。
したがって、ケースによっては「したほうがいい・しないほうがいい」「できる・出来ない」のといった専門的な判断を要する場合があるので、弁護士、司法書士に相談することを勧めます。
(1) 借金が多額のため利息分のカットだけでは3~5年での完済が困難な場合
この場合は「任意整理」に向けての合意が得られるのは難しく他の方法を考えるべきでしょう。
繰り返しますが「任意整理」での減額対象は「将来利息」と「経過利息・遅延損害金」のみです。利息のカットは負担軽減に向けて少なからず寄与するものですが、元本ついては原則減額の対象にはなりません。元本部分を3~5年間で完済しなければなりません。
ということは、逆から言えば、利息部分を全面カットできるとしても、元本部分を3~5年の間に完済できそうもない経済力であれば、その借金を解決する手段として「任意整理」は適していないということになります。
元本の支払いが3~5年で完済できないということは、期限までに元本を定期的に、かつ安定的に支払っていけるまでの収入源をもっていないという事だから、こうなると元本自体を減らせる「個人再生」か、借金全額を免除にできる「自己破産」しかないことになります。
すなわち、元本含めて返済額を平均5分の1~最大10分の1まで減額できる「個人再生」、あるいは一定の財産の処分は避けられませんが、返済額がゼロにできる「自己破産」を選ぶことになります。
(2)「任意整理」で得られる利益(利息や遅延損害金のカット)より弁護士等への費用の方が高くつく場合
この場合は「任意整理」は避けた方がいいでしょう。
「任意整理」は、借入期間が長期で利息も膨れ上がってしまっているケースに大きく威力を発揮する方法です。
もともとの借金が元本額が少額であるため借入期間も短く、カットされる利息も遅延損害金も少額である場合は「任意整理」を依頼してもさほどの減額効果を生まずに、かえって、弁護士や司法書士へ支払う費用の方が高くつくことがあり得るので「任意整理」は避けた方がいいです。
思うに、仮に「任意整理」することによって得られる利益が、弁護士等のかかる費用より上回ってもその度合いがわずかな場合は「任意整理」によって登録される事故情報のデメリットの方が遥かに重大なので「任意整理」は避けた方がいいです。
「クルマローン」や「住宅ローン」などは、低金利で設定されていることが通常であり、そういった場合は「任意整理」をやったところで、カットできる利息や遅延損害金は小さく弁護士や司法書士に支払う費用のほうが高くつくからです。
さらにいえば、これらのローンは低金利ですが、クルマローンには所有権留保、住宅ローンには抵当権という担保権がついているケースがほとんどのため、安直に「任意整理」するとクルマや家が没収される恐れがあります。
なお、債権者としてはクルマや家を没収して売却した方が確実に債権回収を実現できるから「任意整理」に応じてくれないでしょう。(カードローンは無担保融資である為金利が高く設定されている)
したがって、債務を複数抱えている一部にクルマローン、住宅ローンが含まれている場合で「任意整理」を望む場合は、そのローンを「任意整理」から外してそれ以外の債権者を選んで「任意整理」の交渉に入るのが正解です。
(3) 利害関係をもつ債権者が複数いる場合(多重債務)
この場合に「任意整理」をやるか否かは慎重を要します。弁護士、司法書士の相談することを強く勧めます。
債権者が複数の場合「任意整理」は個々の債権者との私的交渉を通じて問題を解決する手続ですから、もし債権者毎に順次交渉を続けていくのであれば、時間や労力、費用面でかなり大変になります。
しかも、私的交渉なので、交渉過程には何ら法的拘束力がなく、いくら時間をかけて交渉を重ねても各債権者が納得いく解決案にたどり着く可能性は極めて困難でほぼ不可能といってもいいかもしれません。
ところで「任意整理」は、私的交渉となるので、複数いる債権者全員を「任意整理」するのではなく、特定の債権者のみを「任意整理」から外して優先的に弁済を受けられる特別扱いにすることができるのが大きな特徴ですが、そのことが、かえって不都合な結果を生んでしまうことがあります。⇒⇒⇒詳しくは、下記の関連記事を参照してください。
ということで、債権者が複数いる場合の債務整理は「任意整理」ではなく裁判所が必ず介入してきて利害関係を有するすべての債権者を裁判上の手続きの乗せて、強制的かつ抜本的に減額、免除を目指す「個人再生」「自己破産」の方が解決に適しているといえます。
(4) 毎月の返済ができる程度の安定収入がない場合
このような場合は「任意整理」の交渉に応じてもらえず合意は難しいでしょう。
「任意整理」の効果は返済額の減額であり、それを毎月継続かつ安定して返済しなければなりません。「自己破産」のように全額免除ではありません。
「任意整理」は当事者間の私的交渉を通じての和解契約だから、相手方の債権者の合意が必要です。いくら返済計画を提示してもその計画のベースとなる収入が不安定であれば、債権者の同意をもらうのは難しいので「任意整理」は成立しないでしょう。
収入の安定性については、正社員である必要はないけど、パートやアルバイトでも毎月きちんと給料がもらえる仕事であればいいです。
収入の安定性がないと、同じく返済の継続・安定性が求められる「個人再生」も難しいでしょう。
となると選択すべき債務整理は「自己破産」が第一の選択肢となります。「自己破産」であれば、その免責効果で全額免除だから、安定した収入のない場合はもちろん、全く無収入の人でも利用が可能だからです。
(5) 制度上or性質上「任意整理」できない債務の場合
例えば、税金・社会保険料といった租税等の請求権の支払い債務、公共料金の滞納は、その制度上「一般の優先債権」として「任意整理」はもちろん、裁判所が介入してくる「個人再生」「自己破産」であっても減免、免除できません。
これらの債権は、任意整理、個人再生では「非減免債権」といい、自己破産では「非免責債権」といわれ両者は同じ扱いがなされます。
もっとも「任意整理」の場合は、私人間の和解交渉のみで債務の減額ができる手続ですから、私人間の取り決めで税金や社会保険料の運命が左右されるなんてことはあり得ないことだから「非減免債権」は主に個人再生手続で使われます。
●「非免責債権」⇒自己破産の免責決定を受けても免責の効果を受けない債務。
なお、制度上「一般の優先債権」ではなく、一般債権でありながら、その性質からして「社会的にみて保護すべき債権」として「非減免債権・非免責債権」とされるものがあります(下記参照)。
● 故意または重過失によって加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
● 夫婦や扶養家族の生活費、子の養育費などの請求権など
詳しくは、下記の関連記事を参照してください。
(5) その他「任意整理」が認められそうにない債務
① 一回も返済していない債務
一回も返済していないのに「任意整理」を主張してくると、債権者の債務者に対する印象は非常に悪くなります。
そうなります。債権者は債務者を信頼してお金を貸したにもかかわらず、初回の返済から滞ってしまい、ましてや「任意整理」まで主張してくるなんて、最初からそのつもりで借り入れを申し込んできたのではないか?と、債権者の立場からすると「だまされた!」と思ってしまうのも当然と言っても不思議ではありません。
そこには債権者の同意が得られず「任意整理」による解決は難しくなります。
② 再度の「任意整理」を求める債務
「任意整理」が成立しその和解条件に沿って支払っていたが、途中で返済ができなくなり、再度、一回目と同じ債権者(金融会社)での「任意整理」を依頼してそれが認められるか?ということです。
任意整理は、裁判所を介さずに直接貸金業者との交渉によって行われるものなので、理論的に言えば債権者の同意さえあれば原則何回でも可能といえます。
そういった意味では「任意整理」できるということになりますが、二回目となると債権者の債務者に対する信頼感がかなり崩れています。だから、そう簡単にはいきません。
そもそも「任意整理」は義務ではないので、再度の「任意整理」には応じないという債権者も当然でてきますし、仮に「任意整理」ができたとしても、対応は厳しかったり、一回目よりも条件が緩和されなかったり、再「任意整理」するまでの遅延損害金が付くとか明らかに負担が増えるでしょう。
詳しくは下記の関連書類を参照してください
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