借金140万円以下の場合は司法書士に依頼した方がいい?~「弁護士」と「司法書士」の業務範囲の違い~
■任意整理手続きを行う際の司法書士の業務範囲
■個人再生・自己破産手続きを行う際の司法書士の業務範囲
■司法書士と弁護士の債務整理費用の差
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■ 弁護士と司法書士の基本的な違い
●「弁護士」は、国家試験の「司法試験」に合格して司法修習を終えた人です。
身近に起きる小さなトラブルから大企業や国が絡むでかいトラブル、事件までありとあらゆるジャンルの法律問題に対し法的なアドバイスをしたり、依頼人の代理人として相手方と交渉したり、さらに訴訟上で依頼人に代わって代理人として出廷して訴訟行為を行うこともできます(訴訟代理人)。
要は法律に関係するすべての業務を制限なくサポートすることができ、依頼人の代理人にもなれるのです。
弁護士はあらゆる全ての法律問題に携わることが出来て、本人に成り代わって裁判上の訴訟行為、および裁判外での相手方との交渉する権利をもつことができます。
●「司法書士」は、国家試験の「司法書士試験」に合格した人です。
司法書士は、不動産の登記、会社の登記、供託の手続きや、裁判所、検察庁、法務局に提出する書類の作成・提出を依頼人の代理人として行うことなどを主要な業務とします。いわゆる書類の作成・提出の代行業務です。
例えば、土地、家屋の売買契約に契約書の作成や不動産登記手続(例えば、所有権などの権利関係の登録)商業登記手続(例えば、企業に関する代表者などの情報を登録)などの代行です。
このほかに、特別な業務として簡易裁判所での訴訟代理業務を行うことができます。但し、これには制限があって、通常の司法書士の中から特別の研修を受けて認定考査に合格された「認定司法書士」のみが、簡易裁判所管轄の請求額が上限140万円の民事訴訟に限って、訴訟上の代理権および裁判外(訴訟外)の交渉代理権(裁判外の和解手続の代理)を行う事ができます。
例えば、140万円を上限とする貸金返還請求とか家賃未納分の請求などの訴訟上の代理権、裁判外の交渉代理権を行使です。この記事のメインテーマである債務整理の任意整理もこの範疇に入ります。
通常の司法書士の場合は、こういった代理権の行使ではできません。但し、案件が140万円の上限を超えてしまうと認定司法書士でも携わることができないことになります。
結局、弁護士は法律に関する諸問題の全てについて、何ら制限なく単独で訴訟上、裁判外を問わず依頼人の代理人になれるのに対し、司法書士はそれが限定的だということです。以下は司法書士に焦点を合わせつつ両者の違いを述べていきます。
「認定司法書士」を設けた背景は、債務整理の側面から言えば、弁護士の数と年々増えていく債務整理案件数との需要と供給のバランスが取れなくなってきたという事情があって、それらに対処するために一部の債務整理の業務に通常の司法書士にプラスアルファの資格を付与してそういった問題に迅速に解決しようにしたのです。よって、2002年の司法書士法改正により、国民の権利をより適正かつ円滑に保護するため、「認定司法書士」制度が導入されました。
「認定司法書士」は従来からの主要業務とは別に簡易裁判所管轄下で下記の業務が特別にできるとされています。
・請求額が140万円までの民事紛争の相手方との裁判外での交渉代理権をもつ。
・請求額が140万円までの簡易裁判所での訴訟行為ができる訴訟代理権をもつ。
結局、認定司法書士が裁判外の交渉代理権と訴訟代理権を行使できるのは、請求金額が140万円までの任意整理、過払い請求権の案件に限られるということです。
司法書士の主要な業務は法律に関する書類の作成や提出といった手続の代行です。認定司法書士は通常の司法書士よりも幅広い業務が可能になります。
■ 任意整理手続を行う際の司法書士の業務範囲
任意整理における司法書士の業務範囲は以下の通りです:
● 書類作成業務 : 任意整理は裁判所が介入しないで、当事者同士の交渉によって解決する手続であり、それに貢献する書類作成は当然に司法書士ができます。
● 取引履歴の開示請求・引き直し計算 : 借金の正確な金額や取引期間を確認するため、債権者である貸金業者に取引履歴の開示請求を行い、その取引履歴を元に利息の引き直し計算をできます。
● 和解交渉 : 将来利息、経過利息のカット、返済期間の設定などについて債権者である貸金業者と和解交渉して支払額を減額調整できます。
ただし、以下の制限があります:
司法書士が任意整理を取り扱えるのは、認定を受けた司法書士に限られます123。
司法書士が取り扱うことができる債務(借金額)には上限が設けられており、債権者1件につき140万円となっています1243。
この金額は債権者ごとにカウントされます。つまり、複数の金融機関から借入れがある場合でも、1社ごとの借入れ額が140万円を超えていなければ、司法書士に依頼することが可能です4。
以上の情報を参考に、ご自身の状況に最適な専門家を選んでください
司法書士の主要な業務は、先に述べたように法的な書類作成業務であり、そこには当然に債務整理に関する書類作成、提出をする代行業務も含まれます。もっとも、携わる案件が1件につき請求額140万円を上限とする案件であることが前提とされています。
ところが、司法書士のなかには長年債務整理の分野に特化して携わってきたことから弁護士に引けを取らない確かな知識と豊富な経験を誇っている人たちもたくさんいるわけです。
そういうことで、140万円の範囲内での任意整理手続では、弁護士と同様に依頼人に成り代わって代理人として相手方との交渉業務できるようになりました。
そして、この「140万円の範囲内」の意味は、1件の貸金業者からの借金額が「140万円を超えてはいけない」という意味です。
だから、A社からの借金額が30万円、B社からの借金額が80万円、C社からの借金額が140万円で、合計が250万円で140万円をはるかに超えていても認定司法書士は任意整理の依頼を引き受けることができるのです。
したがって、もし1件でも貸金業者からの借金額が140万円を超える依頼案件であれば、もはや認定司法書士ではできず、それは弁護士が行う領域なので迷わずに最初から弁護士事務所にお願いすることになります。
但し、個々の債務額が140万円の範囲内であっても、もし利息制限法の再計算をした結果、140万円を超える金額の過払い金が見つかった場合は、認定司法書士はその依頼案件を引き受けることはできません。だから、多額の過払い金が発生しそうな場合は、最初から弁護士に依頼した方がベターでしょう。
ところで、前述したように訴訟上の代理人になるには、債務額が140万円の範囲内であることの他に、簡易裁判所の管轄内であることが必要です。
だから、債務額が140万円の範囲内であっても、裁判外の任意整理の和解交渉が上手くいかず簡易裁判所にその紛争が持ち込まれてた場合、簡易裁判所での訴訟でうまく解決できればいいのですが、もつれにもつれて相手方が控訴して解決の場が地方裁判所に移ってしまった場合は、もはや認定司法書士では対処することができません。
認定司法書士は簡易裁判所での訴訟代理権しかもたず、控訴した場合はあらためて訴訟代理人として弁護士に依頼することになります。
・請求額が140万円までの民事紛争の相手方との裁判外での交渉代理権をもつ。
・請求額が140万円までの簡易裁判所での訴訟行為ができる訴訟代理権をもつ。
結局、認定司法書士が交渉代理権と訴訟代理権を行使できるのは、請求金額が140万円までの任意整理、過払い請求権の案件に限られるということです。個人再生・自己破産の管轄裁判所は地方裁判所であり、認定司法書士にとっては管轄外であり、そもそもできません。
■ 個人再生・自己破産手続を行う際の司法書士の業務範囲
個人再生と自己破産、この二つの債務整理の方法は、私的解決方法の任意整理とは違って必ず裁判所への申し立てを必要とする債務整理です。しかも、簡易裁判所ではなく地方裁判所(またはその支部)に申し立てしなければなりません。
地方裁判所に申し立てる手続であるがゆえに、仮に認定司法書士であっても、訴訟代理人として裁判所に出廷して訴訟行為をすることはできません。訴訟代理人として地方裁判所での訴訟行為ができるのは弁護士だけです。
だから、出廷を要請されたらかならず依頼した本人が出廷することになり、司法書士は同席することもできません(裁判所によっては同席を認めるところもあります)。
では、司法書士はなにができるかというと、司法書士の主要な業務は、冒頭述べたように、裁判所に提出する様々な書類作成、および提出業務については代理人を務めることができます(書類作成代理人)。だから、個人再生、自己破産に関する裁判所に提出する書類作成と提出ついては代理人として務めることはできるのです。
仮に、対象となる一件の債権額が140万円を超えていても、この主要業務に限っては司法書士はできます。
ただ、司法書士は書類作成、提出業務以外はなにもしないかというと決してそうではありません。書類の準備から裁判所に個人再生、自己破産の申立書を提出して再生計画の認可や免責決定を受けるまで、最後まで全面的に依頼人をサポートを行うことができます。
つまり、必要書類の作成、提出は司法書士が行いますが、先に述べた裁判所からの出廷の要請があった場合、表向きは本人の出廷の体裁をとりながらも、司法書士は依頼人と緊密に連絡を取り合って、専門家として上手く事が運ぶように依頼人を背後からしっかりとバックアップしていくのです。裁判所との連絡や書類のやりとりもできます。これらもバックアップの一環と考えられるからです。
もし、弁護士に依頼した場合は、弁護士は法定代理人として全面的に訴訟代理人、裁判外の交渉代理人になれるので、弁護士にはすべてを丸投げしても全くかまいません。
繰り返しになりますが、司法書士に依頼した場合は、訴訟代理人、裁判外の代理人(交渉代理人)にはなれませんから、弁護士のように司法書士にすべてを丸投げすることはできず、うまく進捗させるには、お互い十分に連絡を取り合って進めていく必要があります。
自己破産や個人再生は地方裁判所に申立てを行う必要があります。司法書士が扱えるのは簡易裁判所管轄の案件なので、自己破産や個人再生の場合は書類作成、提出のみしか行うことができず、本人の相手方との交渉代理人及び訴訟代理人になることができません。しかも、紛争対象金額は140万円が上限です。したがって、裁判上の訴訟行為や裁判外の相手方との折衝・交渉行為は依頼人である本人がおこなわなければなりません。
※司法書士での「任意整理」は借金額140万円範囲内での裁判外での相手方との交渉権と簡易裁判所での訴訟代理権をもっています。ただ、それは「認定司法書士」であることが前提です。
■ 司法書士と弁護士の債務整理費用の差
司法書士と弁護士とでは、債務整理費用に関しては一般的に司法書士のほうが費用が安い傾向にあるといわれています。但し、それは、傾向であって必ずそう決まっているわけではありません。
そもそも、弁護士、司法書士が行う個人再生と自己破産の報酬費用はともに完全自由化されているので、いくらにするかは個々の事務所の判断に委ねられています。ただ、弁護士と司法書士でできる業務範囲が異なっていますし、なにごとも各々の相場というモノがあるなか、一般的にいえば司法書士の費用の方が安い傾向にあります。
大まかにいえば、個人再生を弁護士に依頼したら40~60万円程度、司法書士に依頼したら30~40万円程度の費用がかかります(ただし、書類作成提出の代行のみ)。そして、住宅ローン特則がある場合は、それぞれ5万円~10万円程度高くなります。
もっとも「任意整理の報酬費用、過払金返還請求の報酬費用」については、弁護士、司法書士ともに完全に自由化されているわけでなく一定の規制がかかっています(※)。
もっとも、管轄が東京地裁で「個人再生」手続を依頼する場合、東京地裁では個人再生委員を特別に選任することになり、その報酬は依頼人が負担することになります。その金額は弁護士に依頼したときは15万円、司法書士あるいは依頼しないで本人訴訟で進める場合は25万円となって、司法書士に依頼した方が10万円余計にかかってしまいます。したがって、最終的には差はほとんないかもしれません。
さらにいえば、司法書士会も弁護士会も過払い金返還請求の報酬割合については規定の定めがあって、いずれも訴訟なしで20%、訴訟ありで25%を上限としていて、実態はほぼ差がありません。
費用がいくらになるか、これは重要な要素ではあることは間違えありません。しかも債務整理を依頼する人は、経済的に苦境にあるわけですから苦境の原因となっている借金額が140万円以下ならば、経済的面を重視すれば費用が安い司法書士事務所を選んだほうがいいでしょう。
でも、それのみで判断するのは余りにも危険です。やはり信頼をおけるか事務所かどうかが大事であることはいうまでもありません。
司法書士事務所、弁護士事務所、どちらも今は相談は無料をうたっているところが多いですが。着手金に関しては弁護士事務所は1~2万円程度取る事務所が多いです。でも司法書士事務所は現在無料を謳っている事務所が増えています。
だから「個人再生」「自己破産」の手続きの場合は、基本的には弁護士に依頼するのを基本とすべきでしょうが、「任意整理」に関しては認定司法書士に依頼することを積極的に考えてもいいでしょう。
いずれにしても、ホームページをチェックし債務整理での実績を把握して、事務所を訪れるなどして話を聞いてみて費用の面、信頼できるかどうかの面などなどを十分に勘案して事務所選びをするべきでしょう。
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もう少し具体的に言うと、借金問題といってもその有り様は千差万別です。当然に解決へのプロセス及び解決の方法も異なってきます。そういったなか、専門家であっても分野によっては得手不得手があります。だから、この制度は依頼人の希望に十分に応えるために、それに適した専門家を選んで専門家と依頼人を結ぶつけるサービスを行っているのです。そして、一件の依頼につき複数の法律事務所をご案内します。

したがって、初めての方がなんのツテもなく依頼人の希望に沿った事務所を探すのは結構大変なことだし、さらにまだまだ一般人にとっては弁護士事務所の敷居はまだまだ高くて最初から弁護士と相対することになると、緊張して自らの借金問題について正確に伝えられない恐れもあります。だからこそ、依頼人と専門家との間の橋渡しの役割を果たす「日本法規情報」のような存在が重宝されるのです。そして、現在では毎月3000人もの相談者がこの無料相談ツールを利用しています。
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(1)オンライン上のお問い合わせフォームに必要項目に入力して申込する。
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公開日:
最終更新日:2025/03/08