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「自己破産」で「免責不許可事由」があっても免責を勝ち取れます

      2020/09/14

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■「自己破産」申立てで必ず借金ゼロになるとは限りません

 
「自己破産」は複数ある債務整理の手法のなかでも、借金返済にニッチもサッチもいかなくなり返済不能になった場合の最後の手段です。

借金で苦しんでいる人の借金をゼロにして、経済的更正を図り健全の生活に戻れるように、再スタートのチャンスを与えることを目的としている国の制度です。

この「自己破産」の手続きには、「破産手続」と「免責手続」の二つの手続の流れがあって、通常は同時進行で行われます。

一つは、裁判所の「免責手続」に沿って、破産者(債務者)の借金の支払い義務を全て免除する、つまり借金をゼロにします。

※正確に言えば、決して借金がゼロになってしまうわけではなく、借金はあるんだけど破産者(債務者)は返済しなくてもいい、債権者は返済請求できなくなるということです。

もう一つは、「破産手続」に沿って、破産者(債務者)が持っている価値ある財産を換価処分して、その範囲内でお金を貸した債権者に比例配分していきます。

お金を貸した債権者としては、破産者(債務者)の借金がゼロになるということは、貸したお金が返って来ないことになるわけだから、債権者を保護するためにも、破産者に債権者の債権額に充当できる一定の金銭的価値ある財産が残っていたら、それは債権者に配当されていくのです。

原則として自己破産時の価値20万円以上の財産は、没収されて、換価処分されて、各債権者の債権額に応じて比例配分されます。

もし、金銭的価値ある財産がなければ、債権者には配当ゼロです。

「自己破産」は、破産者にとって債務整理の手法の中でも最もハイリスク・ハイリターンの手法といえるでしょう。

住宅といった価値ある財産は、債権者のために没収されることで破産者にとってハイリスクといえます。でも、それでも借金全額返済には達せず破産者に借金が残ったとしても、その借金は全てチャラになる、ゼロになるということで破産者にとってはハイリターンということになります。

でも、破産者にとって「自己破産」は財産は失うけれど必ず借金をゼロにしてくれる制度であると、当然の如く思いこんでいる人がいますが、決してそうではありません。

「自己破産」とは、借金の返済が完全にできなくなったということを宣言することであり、借金がゼロになるというのは、あくまで先に述べた裁判所の「免責手続」で「免責」が認められた場合に限っての話しです。

だから、必ずハイリターンを得られると踏んでいたら大間違いです。注意してください。

「自己破産」はすれども、もし肝心要の「免責」を裁判所が認めなかったら、財産は取られ、しかも借金はそっくり残ってしまって、返済し続けていかなければならないことになります。当然取り立ても続きます。これって言うまでもなく史上最悪の状況ですよね・・・

破産法252条では、その免責が認められないケースとして「免責不許可事由」が列挙されています。

破産法252条の文言は難しいので、下記にわかりやすい言い回しになおして書き記します。

1号:債権者を困らせる目的で財産を隠したり壊したりしたこと
2号:破産手続を遅らせる目的で他人の借金をかぶったり、クレジットカードで買い物をしたあと買ったものを投売りしたりしたこと
3号:債権者が複数いる場合に、特定の債権者だけに急ぐ必要の無い借金返済をしたり担保を差し出したりしたこと
4号:借金した原因のほとんど全部がギャンブル、投機行為、飲食費、遊興費によったこと
5号:破産の申立てをした日の1年前から破産手続開始決定の日までの間に、破産原因がないと騙してクレジットカード取引をしたこと
6号:業務や財産に関する帳簿などを隠したり捨てたりしたこと
7号:ウソの債権者名簿を裁判所に提出したこと
8号:破産手続において裁判所が行う調査にウソをついたり妨害したりしたこと
9号:不正の手段により破産管財人などの職務を妨害したこと
10号:過去の免責許可決定日から7年を経過していないこと

これらに該当すると、法文上免責されないと規定されています。つまり、借金がゼロにはならないということです。

思うに、すべてがすべて無条件に「免責」を認めちゃうと、それを悪用する輩が出てくることもありうるので、このような規定を設けることは必要でしょう。
 

■「免責不許可事由」があるからといって諦めちゃダメ!

 
でも、実際問題として上記の免責不許可事由に絡むことがあっても「免責」が認められないということは、実際はほとんどありません。

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つまり、免責不許可事由に該当する事実があっても、裁判官が破産者の行いとか反省度合い、諸般の事情を考慮して、免責を与えることが相当であると判断した場合には、裁判官の裁量によって免責が許可されるのです。

これを「裁量免責」(252条2項)といって、特に一般的な基準というのはなく、あくまで裁判官の「裁量」によって決められます。

「裁量」ですから、要は、裁判官の「心証」が鍵です。裁判官に不遜な態度をとったり、自分が自己破産になったことに全く反省の気持ちがないとか、将来への展望を示さないとか、そういった印象を与えてしまうと「免責不許可」になる恐れが十分にあります。だから、タカをくくってはいけません。

裁判官の「心証」を良くしましょう。

例えば、返済できなくなった借金500万円の原因が全てギャンブルや遊興費である場合、当然に破産法252条の「免責不許可事由」にあたります。

でも、これまでの生活態度をきちんと改めて、借金の1割の50万円を半年かけて積み立てて、少ない金額であっても債権者に比例配当するなど、破産者の真剣な努力を見せれば「裁量免責」として免責が認められる可能性が十分でてきます。

この「裁量免責」の運用姿勢は、原則「免責許可」と考えて結構です。

だから「免責不許可事由」に当たるからといって、自分の判断だけで「自己破産」はできないとあきらめる必要はありません。司法書士・弁護士といった専門家に必ず相談するべきでしょう。

よっぽどのことがない限り、なんとかしてくれるはずです。

最後に、注意しておくべき点は「自己破産」で免責が認められて、借金がゼロになろうと、そうならなかったにせよ、司法書士、弁護士を選任した場合、ちゃんと「自己破産」費用はかかってきます。その費用はゼロにはなることはありません。

もっとも、その費用を捻出するのが難しいために「自己破産」の申し立てができない状況があれば、それは一つの悲劇です。

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「自己破産」を考えているような人は、当然金銭的に苦しいわけだから、事務所によっては分割に応じてくれるところもあるし、必要な費用が用意できない場合には、公的機関として「法テラス」というのがあります。ここである一定の条件を備えることで、費用の立て替えをしてもらえます。ぜひ、利用を考えてみてください。
 

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