借金問題を解決するための相談所

〇ゆるぎない信用と実績のおすすめ法律・法務事務所ランキング

個人再生はしたいけど仕事に必要な車ローンは残したい~別除権協定とは?~

      2018/02/22

 

(1)問題の所在

今抱えている借金額が大きく返済が苦しいため「個人再生」でもって債務整理をしたい。でも、今ローン返済中のクルマは仕事をするうえで絶対に必要なので、それを取り上げられてしまっては非常に困る。

上記のようなケースってよくありますよね。

例えば、個人タクシーとか、個人の運送業とか、クレープ、アイスクリーム、ホットドックといった食べ物の移動販売業といったものは、クルマが無くてはならない商売です。しかも、そのクルマは未だローン返済中の場合ってよくあるはずですよね。

そもそも「個人再生」とはどんなものかというと、裁判所に申立てをして手持ちの財産を手元に残しつつ借金を法律の規定に沿って大幅に減額(最低弁済額)できる手続きである点が特徴ですが、手元に残すことができる財産は「個人再生」を申立て人の所有財産であることが必要です。

では「個人再生」のもとで、クルマが未だローン返済中であっても合法的にクルマを手元の置いて今後も使用できる方法はあるのでしょうか?

「個人再生」という債務整理手続きがもつ特性から、色んな問題点があり、以下順序立てて考えてみます。

(2)手元に残しておきたいクルマが、ローン完済している場合

まず、本件と違いますが、参考のためにクルマローンがすでに完済されていて、クルマの所有者が「個人再生」申立て人に帰属している場合を考えてみましょう。

この場合は、文句なしにそのクルマは自分の手元に残しておくことができます。先に述べたように「個人再生」は財産を手元に残しつつ借金を減らすことができる手続きだし、しかもそのクルマの所有権は自分にあるからです。

ただ、場合によってはそう簡単にはいかない場合があります。

「個人再生」には「清算価値保障の原則」というルールがあって、法律の規定(民事再生法)に基づいて借金が減額(最低弁済額)されても、その最低弁済額とクルマの清算価値の金額とを比べた場合、後者の方が大きい場合は、法律の規定に沿って導かれた金額が最低弁済額となるのではなく、そのクルマの清算価値の金額が最低弁済額となって、その金額を返済することを条件にクルマを手元に残しておくことができるということになります。

「清算価値」とは、簡単に言うとその財産を全て現金に換算した金額(評価額)をいいます。

例えば、借金400万円があって「個人再生」をすると、法律の規定により最低弁済額は100万円になりますが、手持ちのクルマの清算価値が200万円だった場合、清算価値保障の原則により最低弁済額は200万円になります。したがって200万円を返済しなければクルマを手元に残せません。もし、手持ちのクルマの清算価値が30万円だったら、最低弁済額は法律の規定そのままの100万円ということになります。

だから、手持ちのクルマが高級外車のような価値の高いモノだったら要注意です。

もっとも、この件については、この記事のメインテーマと少しはずれるので、詳しくは下記の関連記事を参照してください。

(3)手元に残しておきたいクルマが、未だローン返済中の場合

このケースが本件のメインテーマです。

まず、ここで考えなければならないのは「個人再生」を希望している債務者に債権者(お金を貸している側)が複数いる場合は「債権者平等の原則」というルールが当てはまるということです。

「債権者平等の原則」とは、債務超過でとても債権者全員に完済することができない場合、各債権の金額の大小や発生時期後先に差があっても、債権相互には優劣の関係はなく、ただ各債権者が持っている債権額に応じて債務者の全財産から平等の割合で弁済を受けるべきという(比例配分)原則をいいます。

「個人再生」の場合は裁判所が介入するがゆえに、後々問題がぶり返さないように関わりを持つ債権者全員を裁判上に上げて借金問題を抜本的に解決することが要請されるのです。だから「個人再生」には「債権者平等の原則」が適用されるのです。

ところで、未だローン返済中のクルマを何とかして手元に残してこれからも使用していきたいのなら、債務者としては今まで通り決められた金額を決められた日にちに、遅れることなくクルマローン会社に返済を続けていかなければなりません。これは当然のことです。

でも、手持ちの財産をどう査定しても債務超過にあるので「個人再生」でもって債務整理を望む場合、特定のクルマローン会社だけにこれまで通りの金額を返済し続けていくのは、その会社だけ優遇措置を認めることになって、先の「債権者平等の原則」に照らして許されないということになります。

クルマローン会社も複数債権者の一人にすぎず、他の債権者と同様に持ってる債権額に応じて、平等に債務者の全財産から比例配当を受けなければならないからです。

「個人再生」では、居住用住宅については「住宅ローン特則」という特別規定があって、住宅ローンについては「債権者平等の原則」の枠外という特別扱いができることになっていますが、クルマローンに関してはそのような規定はありません。

では「個人再生」を目指しながら、クルマローンを維持してこれまで通りクルマを使用するのは諦めるしかないのでしょうか?

 

>>借金減額・免除の無料相談NO.1事務所 (24時間受付中!)<<

 

以下は、クルマを使用できる可能性を探っていきます。

①「個人再生」手続きにおける「別除権(べつじょけん)」とは?

「個人再生」をしても、クルマを手元に残して使用したいという希望を叶えるためには、記事タイトルにもある「別除権協定」というものが関わってきます。ただ、その前に「別除権」そのものについて説明していきましょう。

「別除権」とは、担保権付きローン債権のことで、裁判所による「個人再生」手続中にあるにもかかわらず、それとはまったく関係なしに優先的に行使できる債権のことをいいます。

優先的に債権を行使できるということは、その担保権を行使できるということです。

担保権を行使できるということは「債権者平等の原則」を乗り越えて優先的に弁済を受けることができるということを意味します(債権者平等の原則の例外となる)。 

分かりやすく説明するために、以下破産の例でいいます。

例えば、債務者Aは借金総額400万円を負っています。その内訳は債権者Bに200万円、債権者Cに100万円、債権者Dに100万円の借金を負っている内容です。そのうちCだけが、Aの持ち物(価格220万円相当)に担保権をもっていたとします。

その後、Aは破産してしまい、Aにはその220万円相当の財産以外何もありませんでした。

この場合、どうなるかというと、まず、担保権を持っているCは「別除権」を行使して、Aの220万円の財産を清算して、そこからBやDに優先して自らの債権額100万円を回収することができるのです。

そして、残りの120万円(220万円-100万円)については、BとDには「債権者平等の原則」が働いて、それぞれが持っている債権額に応じて平等に比例配分されることになります。よってBは80万円、Dは40万円を回収できることになるのです。

つまり、唯一Aの財産にCは担保権を持っていたということで、Cだけが「別除権」を行使できて、Aから優先的に満額の100万円を回収でき、担保権なしの普通の債権しかもっていなかったBとDは、当然「別除権」などはなく、一般債権者として「債権者平等の原則」が適用されて、それぞれ80万円と40万円という本来の債権額に満たない額しか回収できないことになるのです。

Cとしては自らの債権額100万円を「いざ」という時には確実に回収できるように、担保付き債権にするという「別除権」という権利をもっていたわけで、その点将来をきちんと見据えて手立てを考えていたわけで、このCだけが満額回収できたという結果は当然といえば当然の結果と言えます。

そして、この担保権というのは「抵当権」とか「質権」とか「所有権留保」といったものを指し、債務者の財産・資産の上にこれらの権利を設定しておけば「別除権」を行使できるのです。

以上、破産を例に述べましたが、この論理の流れは「個人再生」でも全く同じ流れになります。

担保権をもてば「個人再生」の手続の進行に全く関係なく、債権者の100%の都合のみで「別除権」を勝手に行使して、自らの債権を優先的に確保できるのです。

※もっとも「個人再生」の場合、居住用の住宅に抵当権が設定している住宅ローン債権に限っては、住宅ローン債権者(銀行等)は抵当権を行使する、つまり「別除権」を行使するということはできません。先に述べたように、「個人再生」には「住宅ローン特則」という特別規定があって、これによって、住宅ローンは維持されて住まいは今まで通り住み続けることができるからです。

さて、以上述べたことを前提に、本件の場合を見てみると、そのクルマはこれまでずっと仕事で使っていたとしても、まだクルマローンは支払い中であり、その場合のクルマの法律上の所有権というのは、ローンが完済するまではクルマローンの債権者、つまりクルマローン会社にあることになります。

所有権をクルマローン会社に留めておくということで、クルマローン会社が「所有権留保」という一種の担保権をそのクルマの上に持っているということを意味します。

「所有権留保」とは、売主が売買代金を担保するため、代金が完済されるまで引渡しの終えた目的物の所有権を留保するもの。 売買契約中の特約により行われる担保権の一つです。

となると、もし、本件のように、現在クルマを使っている人が「個人再生」を申し立てた場合、クルマローン会社へのローン返済が滞るということだから、クルマローン会社は自らもっているローン債権を回収するために「所有権留保」という担保権を行使します。つまり「別除権」を行使して、クルマを今使っている人から即刻回収して、売却処分して、残りのローン返済に充てることをします。

つまり、「別除権」を行使されると、クルマを使っていた側からみると、クルマは取り上げられてしまって使用できず、それはひいては仕事に大きな支障をきたすということになってしまうのです。これは、由々しき事態といえます。

でも、ここまでの説明で「別除権」とは、どういうものだと大まかに理解はできたと思います。

このことを前提にして、次は「別除権協定」について述べていきます。

この「別除権協定」が上手くいくかことが、クルマを手元に留めておいてこれからも仕事に利用できるかどうかの試金石となるのです。

②「別除権協定」とは?

「別除権」行使は、もっている債権を確実に確保し回収する仕組みとして必要な権利といえます。

でも、それによって、本件のようにクルマを取り上げられてしまっては、生活はもちろん、個人再生で借金は大幅に減額されるとはいえ確実に借金は残るわけで、それを返済するための原資を調達できなくなってしまい、仮に「個人再生」の再生計画を築けても破たんするのが目に見えてきます。

個人再生での再生計画立案には「継続的に収入を得る必要がある」という項目がありますが、それができなくなるのです。

そこで、でてくるのが「別除権協定」の存在です。

つまり「別除権協定」は、ローン返済中のクルマでも手元に残しておいて使用できる方向に持って行く一つの方策なのです。

「別除権協定」成立には、以下の三つの側面をクリアーしなければなりません。

1.まず、クルマローン会社との交渉で合意すること

要するに、「別除権協定」を「別除権」との関係性でいえば、「別除権」とは法律上認められた権利でもある大原則であり、「別除権協定」というのは法律で明文化されているものではなく、その必要性から編み出された例外的措置だということになります。

だから「別除権協定」とは「もし、別除権を行使されると、つまり担保権を行使されるとクルマを失ってしまうので、もし行使しないでいてくれたら、そのクルマの時価相当額の金額を分割で確実の返済していくので、なんとか行使しないでくれ!」といった旨の協定を結ぶということです。

あくまで、担保権を行使された場合に、そのクルマから回収できる金額がターゲットとなるので、その時の時価相当額が返済金額となります。

だから、クルマローン債権が100万円だったとしても、クルマの査定額が50万円だったら、50万円の返済でいいわけです。残りの50万円は「個人再生」手続のなかの再生計画とは別枠で処理されていきます。

その他、交渉の中で決めることは、返済回数とか、利息はどうするとか、そのほかにもいろいろあります。

この協定は、法律上の規定にはないクルマローン会社との全く任意の強制力のない交渉、話し合いで結ばれる約束事なので、もし諸々の条件で合意に達しなければ「別除権協定」は成立しなかったことになり、それはそれで仕方がないことで、その場合はクルマは取り上げられてしまいます。

2.次に、他の債権者の立場にも配慮する姿勢をみせること

さらに、微妙なところは、仮にクルマローン会社との交渉が上手く合意に達して、担保権を行使しないことになったとしても、他の債権者の立場も配慮しなければなりません。

これが別除権行使という担保権の行使ではなく、当事者間の話し合いでのみで成立した「別除権協定」で、クルマローン会社へのある面特別な配慮をすることになので、やはり他の債権者との関係では「債権者平等の原則」が絡んできます。

だから、他の債権者たちには「個人再生手続のもとで、あなたたちへの借金返済を滞りなく果たすためには、クルマが必要だし、そのクルマを残すためには、クルマローン会社との間で結ばれた別除権協定が絶対に必要なんです!」ということを主張して、それを分かってもらわなければなりません。

特に「個人再生」で「小規模個人再生」を選んだ場合は、書面決議で総債権者数の半分を超える者が反対、もしくは債権者の債権額が総債権額の半分を超えた場合は、再生計画案は否決されてしまいます。

否決されることはめったにありませんが、否決されたら一貫の終わりですから、特に大口の債権者には事前に説明し了解をとっておく方がいいです。

3.さらに、裁判所に上申書を提出して許可を得ること

「別除権協定」が当事者間、関係者間で承認を得て成立しても、裁判所に上申書を提出してその許可を得る必要があります。

これは、裁判所の目から見えて、その「別除権協定」が全体的に公平性が保たれているかを判断することで、許可を得られれば、その費用は「共益費債権」として関係債権者共同の利益に資して、再生計画実現に向けて必要な支出と判断されて、ひいては「個人再生」認可に繋がります。

もし、保たれていないと判断されれば不認可事由にあたり「個人再生」手続は廃止されてしまいます。

~簡単なまとめ~
① 個人再生を申立てると、ローン会社は債権回収のため必ず「別除権」を行使する。
             
② 「別除権」を行使されると、クルマは取り上げられる。
             
③ クルマについては「住宅ローン特則」のようなクルマを守れる制度はない。
             
④ じゃあ~、どうしたらいかというと「別除権協定」しかない。

「別除権協定」とは、債権者であるクルマローン会社に別除権を行使しないように約束をしてもらうことです。その代わり個人再生計画とは別枠で、その時のクルマの時価相当額と同じだけの金額を分割や一括で返済しますよという協定を結ぶのです。お金はちゃんと払うから車は持っていかないで!ということです。

但し「別除権協定」を申し立てるに足る特別の理由がないと認められません。例えば、このクルマがないと仕事ができなくなり他の借金も返せなくなってしまうような特別の事情があるときには検討します。

以上、「別除権協定」というのは、最終的には裁判所が関わってきますが、それは事後的な関わりであり、「別除権協定」については法律上の規定ではなく、強制力を伴わない当事者間、関係者間の任意の交渉、話し合いを経て、最後には合意を得なければならないものです。

そして「別除権協定」が認められるか否かは、少し大げさに言えば、これからのあなたの将来に大きな影響を与えることになりかねません。今回のようなケースはまさにそう捉えてもいいほどです。

だからこそ「個人再生」の申し立てはもちろんのこと、そういう交渉事に未経験な素人が行うよりも、押し引きの駆け引き、タイミング等で豊富な知識や経験に裏打ちされた、長けた交渉術を備えた弁護士、司法書士といった専門家に任せたほうがいいので気軽に相談ください。

(4)借金問題の無料相談・診断

<おすすめ弁護士事務所・司法書士事務所ランキング>

 1位・東京ロータス法律事務所
  全国出張無料面談の実施
  弁護士事務所の中で「任意整理」費用が良心的
  自己破産、個人再生も得意


 2位・サンク総合法律事務所
  アットホームで気楽に相談しやすい雰囲気
  女性弁護士が在籍
  債務整理に特化した豊富な知識と経験


 3位・アヴァンス法務事務所
  テレビCMで放映、借入先が1件の依頼でも受諾OK
  着手金ゼロ円・減額報酬ゼロ円
  女性専用相談窓口完備


 4位・そうや法律事務所
若い法律事務所でありながら弁護士は債務整理800件の実績
債務整理に精通した女性スタッフが窓口応対
最速の即日受任通知で取り立てストップ


 5位・新大阪法務司法書士事務所
  大阪で最もその実績が知られた司法書士事務所の一つ
  女性専用の無料相談窓口を設置
  債務整理費用は相場よりかなり低め


 - 個人再生に関して