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自己破産の「陳述書(報告書)」~破産申立てに至った事情(作文)の書き方

      2018/03/08

 

(1)「陳述書」とは?

「陳述書」とは、自分がなぜ自己破産せざるを得ない状況に至ったのか、その経緯を時系列ごとにまとめて説明する書類のことで、自己破産申立書の添付書類として裁判所に提出しなければなりません。

さて、言うまでもなく、自己破産を申し立てる人にとっての最大の目標は「免責」を受けることです。「免責」を受けることで、借金がチャラになり月々借金を返済しなければならないという辛い状況から解放されるのです。

申し立て人に「免責」を受けさせるべきか否かは、裁判官が「免責手続」経て判断していきます。その際の重要な判断材料となるのがこの陳述書」なのです。

自己破産申立人自身が作成する書面が「陳述書」、申立代理人弁護士が作成する書面が「報告書」と言われていて「陳述書」と「報告書」の違いは誰が作成したかの違いだけであって、記載項目は全く同じです。

なお「任意整理」や「個人再生」といった債務整理の方法には、こういった「陳述書」の提出はありません。「自己破産」に限ってのモノです。

(2)「破産申立てに至った事情(作文)」の書く理由

「陳述書」の書式は、裁判所によって違いがありますが、必要項目についてはあらかじめ選択肢や記載項目が指示されていて、その該当する選択肢にチェックしたり記載すれば済む定形方式になっていることが多いようです。

ただ、この「破産申立てに至った事情」に関しては、この定形方式の他に借金をし始めた頃から、自己破産の申し立てをするまでの生活状況の移り変わりを具体的に記載する、いわゆる「作文」(弁護士や司法書士の間では作文とよんでいる)を作成することになっています。

これは、自己破産申立書の中でも最も重要な必須項目の一つとなっていて、ここでしっかりとした思いを伝えなければなりません。

人はお金との関わりを無視して生きていくことはできません。よって、お金はあなたの人生を映しだす鏡といってもいいです。だから、ここで書く「破産申立てに至った事情」というのは、あなたがお金と関わった人生を作文形式で書くようなイメージと考えてください。

記載の大まかな流れを言うと「どのような人生を渡ってきて、どのような事情で借金をすることになってしまったのか、あるいは借金せざるをえなかったのか、どうしてその返済が困難になってしまって自己破産を選択せざるを得なくなったのか、そして、この今の現状をどのように考え反省しているのか?」といったことです。

そして、裁判官はこれらを踏まえて「この人に自己破産をを認めていいのであろうか?特に【免責】を認めていいのだろうか?」「【免責】を認めたとして、この人はきちんと将来を見据えた経済的に更生が図れるのであろうか?」について判断して自己破産の成否を決めます。

また、債務者が自己破産すると債権者は持っている債権を失ってしまうのが基本なので「陳述書」の内容は債権者にとっても重大な関心事といえます。いずれにしても、手を抜かず真剣に作成することが大切です。

とにかく、最初の借金から最後の反省までの全経過を通して自己破産という手段を取ることが已むえなかったことを陳述書(作文)から読み取れて少しでも裁判官に理解してもらえるように書いていくことが、その後の自己破産手続きを障害なく進めていく上で必要なことです。

(3)「破産申立てに至った事情(作文)」を書くポイント

①分量はA4用紙2枚分程度で文字数1200文字前後

分量は、各裁判所が記載するに用意したスペースをほぼ埋まるくらいは書く必要があります。だいたいA4用紙2枚程度で400字詰め原稿用紙3枚くらいの1100文字~1200文字くらいです。余りにも少ないと「もっと詳しく!」長ったらしく書くと「もっと、要点をまとめてバランスよく!」と裁判所から補正が入ります。

文章を書くのに苦にならない人は、1200文字くらいわけないでしょうが、苦手な人は弁護士などの専門家に依頼するのが肝要です。とにかく、裁判官の心証を良くするために分かりやすく書くことが大切です。

②ウソ、偽りを書かないこと

これは当たり前のことですが、ウソ、偽りを絶対に書かないことです。

例えば、本当はギャンブルや博打が借金をしたことが大きな原因にもかかわらず、それを秘して体の良い原因を書き連ねても、裁判官や依頼した弁護士などの専門家から見れば他の事実や要素と比較して矛盾点を見出し、記載された原因がウソ、偽りだと分かってしまうことは往々にしてあることです。

依頼した弁護士がウソ、偽りを発見したらまだいい方です。その段階で修正すればいいのですから、でも、弁護士をスルーし裁判官が発見したらかなり厳しい状況になります。つまり「免責」が受けられない可能性だって出てきます。

なんたって、免責不許可に該当するということは、自己破産手続きに協力しないと認定されかねません。協力しない人になんで免責を与えなければいけないのか、ということです。

一見して明らかにマイナス評価される原因事実でも、ウソ、偽りのなくありのままを書いて、あとはしっかりと心底から反省している旨をきちんと書いていけば、過ちをしない人間なんていないわけですから、裁判官の心証は決して下がらないはずです。だから、決してウソ、偽りを書かないでください。危険です。
 

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③文章の構成は時系列に沿って書くことが肝要

文章の構成は、下記の6つに分けて進めていくのが良いと思います。(借金した日付は省略)

1.「最初に借金をした時期と理由」
初めて借金した理由が「自らの趣味に投じた」「ギャンブルの軍資金として投じた」あるいは「他人の連帯保証人になったため、その返済のために一時的に借金せざるを得なかった」とかです。でも、いずれもこの時点では借金しても今の収入で十分に返せると思っていた。
2.「その後も借金をしていったその時期と理由」
前回の借金の完済が終わっていないのに「さらに趣味にのめり込み我慢しきれずに高価高額の商品を分割購入した」「ギャンブルで負けた分はギャンブルで取り戻してやるという無謀な考えをもとにさらに借金をした」「連帯保証人としての返済のためにした借金のほかに生活苦なったため、さらなる借金が必要となった」とかです。でも、負担は感じるが生活レベルをもっと切り詰めれば今の収入でも切り抜けられると思っていた。
3.「収入から借金返済ができなくなった時期と理由」
その後「勤務先の業績が一気に悪化してしまい、ボーナスどころか毎月の給与の支給がしばしば滞るようになり、のちに倒産、そのため収入からの返済が不能になった」「資金が続かず、ギャンブルはやめたが勤務先の業績不振で大幅に減給され、その後倒産、このためギャンブルに費やした借金を返済できなくなった」「勤務先をリストラされたため、完全に返済に回す収入源を失った」とかです。
4.「その後、破産申立てまでの行動」
新しい職場を見つけたが、以前の勤務先に比べて大幅に収入が落ち込み、借金を返済するためにはわずかな収入とAカードローンとBクレジットをやり繰りして何とか返済していた
5.「最終的に自己破産手続きを選択した理由」
返済しているもののほとんど利息の支払いに回され一向に借金が減らない。しかもどんどん借入先(貸金業者)の件数が増えるばかりで自転車操業状態。このままではこの先一生涯借金返済に追いまくられる。これは余りにも辛くて悲しい。一回自己破産して借金を整理して人生をやり直ししたい。
6.「このような事態になってしまった反省とこれからの展望」
勤務先が倒産したとか、リストラされたとか、そういった原因もありましたが、今回は趣味にのめり込み過ぎたとか、ギャンブルの資金を借金で賄うといったとんでもないことをやったか、他人を連帯保証人になることの重大さに気付かなかったとか、明らかに自分の見通しの甘さがこのような有様になった最大の要因と言えます。
また【債務整理=自己破産】しか頭にあらず、それより前段階に「任意整理」とか「個人再生」というやり方があって、それを知っていればもっと早い段階で債務処理ができ、痛手はもっと少なくできたはずなので、その点の勉強不足を猛反省しています。
真面目に更生して二度と借金地獄に陥りません。今回多くの方々に多大な迷惑をかけたことを猛反省し、これからは真摯に生きていくことを誓います。

もちろん、上記の構成がベストというわけではなく、例えば、段落を平成〇〇年△△月~平成◇◇年▽▽月というように年月日で分けてもいいです。

なお、時系列を一連の文章の流れで書くのが難しいのであれば、下記のように箇条書きで書いても問題ありません。

1.平成〇〇年▽▽年△△月●●日に、私は株式会社◇◇から金額◎◎円を借りました。
この借金は何々を買うために・・・・
2.平成〇〇年◆◆年□□月◎◎日に、私は△△クレジットから金額▽▽円を借りました。
この借金は▲▲金融からの借金を返済するために・・・

④「債権者一覧表」と「陳述書」の記載内容を一致させること

「債権者一覧表」とは、借金したすべての金融機関・貸金業者(債権者)の名称・住所・電話番号・借金額、また借入れ日付、返済した日付、いくら返済しているか、借金の使途などを一覧にして自己破産申立書に添付する書類です。

要するに、自己破産によってこの「債権者一覧表」に記載された債権者からの残っている借金全てが免除するのです。したがって、借金している債権者すべてを掲載しなければなりません。記載漏れがあることは許されません。

そして、陳述書(作文)を書くときは、その「債権者一覧表」の記載されている債権者名、借入金額、借入れ日付、返済金額、返済日付、残借金額など全てを陳述書(作文)にも必ず登場させて、時系列に沿ってそれらと関係性を記載しなければなりません。

裁判官は必ず二つの書類を見比べます。その際ある貸金業者の名前が抜けていたとか、日付がズレていたとか、金額が違っていたとか、両者に一致しないところがあれば、裁判官から必ず補正を命ぜられます。

記載の不一致が故意ではないにしても、不一致があまりにも大きい場合は、裁判官の心証が下がってしまうこともあり得るので、十分にチェックしておくことが大切です。

(4)「まとめ」

「陳述書」は自己破産の申し立てに至った経緯を明確でわかりやすく読み手に納得感を与えるモノでなければなりません。 記載内容が不明確であったり虚偽の記載があれば、裁判官の心証は必ず悪くなるし当然納得感もあてられません。

「陳述書」の出来栄えは非常に重要です。自分の思いを文章に表すのが苦手な方は、躊躇することなく専門家に依頼するのが良いです。

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